H29年度 第20回 事業企画賞表彰

◆第20回 事業企画賞表彰◆

平成29年度事業企画賞表彰者が、平成30年3月16日の理事会において決定し、平成30年6月6日の第60回通常総会で授与しました。

表彰業績名 表彰対象者
地盤工学会主催国際会議論文集の電子出版シリーズ「Japanese Geotechnical Society Special Publication」             地盤工学会国際部 渡部要一(前国際部長,企画立案者として),勝見 武(国際部長,企画実行者代表として),西村 聡(第6回日中地盤工学シンポジウム論文集の主編集者として),肥後陽介,高野大樹,飛田哲男,椋木俊文(第15回アジア地域会議論文集の主編集者とし),藤澤和謙(第6回日韓地盤工学ワークショップ論文集の主編集者として)

●授賞理由:

 本企画は,地盤工学会が催す国際会議のプロシーディングスを,科学技術振興機構の電子ジャーナルプラットフォームJ-Stage上に逐次刊行化したものである。在庫リスクのある冊子やCD/DVD媒体による従来刊行の代替となる本取組みは,他学協会でも例のない取り組みで,事務作業の低減,刊行コストの削減,さらには地盤工学会関連論文の引用率向上に寄与するものである。取組みの新規性・独自性,ならびに今後の国際会議運営への高い貢献性により事業企画賞に値すると判断される。

アカデミックロードマップと発展史・人物 史 アカデミックロードマップと発展史・人物史の委員会

●授賞理由:

 本企画は,地盤工学の歴史とそれに貢献した先人たちの取り組みを取りまとめるとともに,地盤工学の未来像や夢の「見える化」にあたったものである。総勢160名に及ぶ関係者の精力的な活動成果は研究発表会DS,学会誌,学会Webサイトで公表され,今後も学会内外に向けたアピール題材としての活用性が期待される。学会員数の推移や建設業界の変遷を踏まえ地盤工学や学会の魅力向上に議論が及ぶ中,時節を得た取組みと言え,さらに他の学協会でも類まれな規模での試みには高い独自性,新規性が認められる。以上により,事業企画賞に値すると判断される。

中部支部
南海トラフ巨大地震に対する市民のた
めの防災・減災シンポジウム
地盤工学会中部支部 南海トラフ巨大地震中部地域地盤災害研
究委員会 (代表:野田利弘)

●授賞理由:

 本企画は,南海トラフ巨大地震に対する一般市民への防災意識向上を意図した,一連のシンポジウムの企画と開催を対象とする。市民向け企画は多数ある中,「南海トラフ巨大地震中部地域地盤災害研究委員会」による取組み成果を市民向けに創意工夫を加えながら展開させたことに独自性が認められる。また,中部地域全般の地域性を加味して魅力作りに注力した点は地域貢献性につながると共に,巨大地震発生が切迫する折の取り組みは学会の知名度向上に寄与したものと考えられる。以上により事業企画賞に値するものと判断される。

北海道支部
「斜面の凍上対策の調査・設計マニュア
ル(案)」の刊行及び講習会
(旧)凍上対策工の調査・設計法に関する研究委員会
 代表者 小野丘(委員長)、佐々木裕一(幹事)、岩倉徹(幹事)、安達隆征、石川達也、上野邦行、大谷高志、沖崎裕、海部友和、川口貴之、川端伸一郎、神原孝義、佐藤厚子、下條芳範、高見雅三、谷藤義弘、所哲也、土門謙治、中村大、中村剛、中村哲也、西本聡、野口明、橋本和明、林啓二、平田文、福田興士、前田克吏、宗岡寿美、森田恵弘、山崎裕幸、横地省一、吉田力(以上、委員)

●授賞理由:

 本企画は,「凍上対策工の調査・設計法に関する研究委員会」による4年の研究活動を,マニュアル刊行と講習会開催により普及・展開した取り組みである。地域特有の課題を対象とした取り組みとしては数多く例を見るものの,複数回開催した講習会への参加者数の多さから注目度や有用性の高さが伺える。斜面の凍上問題は古くから認識されており,より早期の刊行が望まれたとの見方はあるものの,その学術的価値,実務への貢献性から,事業企画賞に値すると判断される。