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現場レポート1 東京駅復原工事

1.プロジェクトの概要

東京駅丸の内駅舎は,大正3年に3階建て駅舎として創建されました。その後,昭和20年の戦災により屋根と内装が焼失し,戦後,安全性に配慮して3階部分を撤去して2階建ての駅舎として復興され,現在に至ります。

本プロジェクトは,駅舎を保存・復原し外観を創建時の状態に再現するとともに,地下躯体を新設して駅機能の高度利用化を実現するものです。地震対策としては,既存の地上部分と新設の地下部分の間に多くの免震装置(アイソレータ・オイルダンパー)を配置することにより,耐震性能を向上させながら中央線高架橋への影響を回避する工夫がなされています。また,施工の方法にもこだわりがあり,創建時の左官や板金の特殊技能を活かしながら現代の技術を採り入れることにより,創建時の技術と現代の技術の融合を図っています。

 

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2.取材の内容

 

「学会職員の現場レポート」,記念すべき第1弾は,東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事の現場を取材してきました!取材にあたり,現場への入構を特別に許可していただき,通常は入ることができない工事中の丸の内駅舎の中の様子を見させていただきました。

取材に先立ち工事事務所にて,JR東日本の鎌田さんに工事の概要を説明していただきました。工事現場の見どころを押さえたところで,発光帯つきのジャンパーに着替え,ヘルメット・長靴・腕章を装着し,現場に移動しました。現場には,東京SC工事区の長橋さんが案内してくださいました。

 

まずは外観から。平成20年に着工した外装工事は終盤を迎えており,一部で仮囲いが残っていますが,地上から見上げるとほとんど完成しているように見えました。

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1階・2階の躯体は構造レンガですが,3階は鉄筋コンクリート壁で躯体を構築し,厚さ 15mmの化粧レンガで外壁を仕上げています。化粧レンガは,色,平滑さとピン角,寸法精度を再現し,創建時の外観を復原しています。また,外壁の目地は覆輪(ふくりん)目地と言って,断面が凸型の丸面形状になっています。言われないと気付かないところまで,創建時の姿に復原するこだわりっぷりです。

また,化粧レンガや既存建具のガラスなど,再利用できるものは可能な限り再利用し,環境への負荷を軽減しています。柱の頂部ある花崗岩の飾りつけも,これまで2階につけられていたものを3階に移設して再利用されています。

 

 

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次に,駅舎の中の様子を見せていただきました。

壁面のレンガの隙間から黒いものが見えますが,これは,戦災で火災が発生したときに木材が炭化したものだそうです。感慨深いお話を聞くことができました。

 

 

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続いて,仮設の階段を下り,地上部分と新設の地下部分の間の免震層に移動し,免震装置を見せていただきました。アイソレータは約350台,オイルダンパーは約160台設置されています。アイソレータは,地震時の横揺れを緩和する役割を果たします。オイルダンパーは,駅舎の水平変位を抑制することにより,近接する中央線高架橋へ影響を与えないために設置されています。

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見ることはできなかったのですが,学会職員は駅舎の仮受けにも関心を示していました。松杭で支えられている駅舎の荷重を,縦梁・つなぎ梁・仮受け支柱を介して本設杭に伝達する手順,駅機能を維持しながら駅舎を仮受けして地下躯体を構築する発想と技術には驚きすら覚えました。

 

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工事現場から工事事務所に戻り,質疑応答の時間を設けていただきました。

はじめて工事現場を目の当たりにした学会職員だけでなく,現場慣れしているはずの広報委員会メンバーも熱心に質問し,鎌田さん,長橋さんが丁寧に回答してくださいました。

 

 

3.現場レポート

 

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地盤工学会の事務局に勤めながら,これまで地盤工学が関わる現場を見たことがありませんでしたが,今回,大変貴重な機会をいただき,東京駅の復原工事の取材をさせていただくことになりました。

東京駅は国の重要文化財に指定されており,現在,戦災で失われた駅舎三階部分の復原と,地下空間の建設,耐震性の向上のための大規模な工事が進んでいます。化粧レンガで装飾された外壁,内装工事前の駅舎内,駅舎と新設地下との間に新たに設置された免震装置等を実際に見させていただきました。

ドーム部分や外装などについては,専門家の協力を得て創建当時の姿を再現しつつ,一方で,最新の施工方法を用いて,機能の拡大と駅舎の強度を増すことを目指しているとの事です。

既存の駅舎を仮受けし,大きな地下空間を構築するという大規模な工事が,一日の乗車人員40万人という東京駅の機能を確保したまま,行きかう人々のすぐ隣で行われているということにとても驚きました。

施工技術は,構造物を新しく建設するための技術であると漠然と思っていましたが,それだけでなく,価値ある古い建築物を守るためにも有効なものなのだと知りました。

創建当時の美しい姿を取り戻し,中身はレベルアップした東京駅を見られる日が楽しみです。古いものと新しいものを,バランスの取れた形で保存,発展させていくことの意義を感じた一日でした

 

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工事現場の中に入るのは初めてなので,ヘルメット・作業ジャンパーを身に付けたり,現場事務所の鉄骨階段をスリッパが脱げないように歩くことから感激しました。

実際に現場を見て特に印象に残ったことは,煉瓦造の壁の割れ目から錆びかかった鉄骨柱が覗いていた現場です。疲れたその姿に長年支えてきてくれたことをしみじみと感じました。古き構造物たちに「お疲れさま」と言ってあげたいです。

その他にも免震構造を間近で見ることができ,新しい技術への期待に胸が躍りました。

また,いただいた資料には構造壁を少しずつ開口してつなぎ梁と仮受け支柱を設ける方法などが記載されていて,非常に興味深いものでした。既存の杭が松製で剣山のように並んでいたことも初めて知りました。

この復原工事を通して発注者・設計者・施工者の熱い思いが時を超えて受け継がれていくように感じました。

事務局に携わりこのような取材の機会に恵まれ光栄です。

お世話になりました方々に心より感謝いたします。  

                                            

 

4.おわりに

 

鎌田さん,長橋さんをはじめ,今回の取材に協力してくださったすべての工事関係者の方に,この場を借りて御礼申し上げます。お世話になり,ありがとうございました。

 

 

 

(文責:中央開発㈱ 今村雅弘)

 

 

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