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現場レポート4 東京外環自動車道(外環道)国分工事

1.はじめに

 “学会職員の現場レポート”第4弾!今回は,東京外環自動車道(外環道)千葉県区間の国分工事(鹿島・大林特定建設工事共同企業体)の現場を見学させていただきました。
 外環道は,首都圏に建設中の3環状道路(中央環状線,外環道,圏央道)の真ん中にある環状道路です。完成すると総延長は約85kmになるそうです。外環道は,これまでに大泉インターチェンジ(IC)~三郷南IC間の33.7km区間が開通しています。この区間を利用したことがある方も多いのではないでしょうか。
 現在,外環道は三郷南ICから南に向けて道路を延長し,最終的には湾岸線の高谷ジャンクション(JCT)に接続する約16kmの区間の工事が進められています。今回見学した国分工事(延長1.8km)は,延長区間のほぼ中央部にあります。

 

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  工事区間(国分工事パンフレットより作成)

 

 

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 国分工事の高速道路は,上下線ともに2車線で地下に造られています。開削工法と呼ばれる工法で,地下に穴を掘り,鉄筋コンクリートで出来た箱状の高速道路の構造物を作る作業が進められています。

 

 

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道路の標準断面図(国分工事パンフレットより)

 

  

 

2.取材の内容

 学会職員と広報委員会メンバーはJR市川駅で待ち合わせ。NEXCO東日本の社員の方に駅まで迎えに来ていただき,車で現場事務所へ向かいました。
現場事務所につくと,まずは取材でお世話になる方たちにご挨拶。その後,作業着に着替え,早速見学場所へ向かいました。国分工事現場は南北方向に長いため(道路だから長いのは当たり前ですが),現場内もNEXCO東日本の社員の方が車で案内してくださいました。

 

 はじめに見せていただいた現場は,掘割試験工事の施工箇所です。NEXCO東日本では,本格的な工事に先立って試験工事が行われ,150m区間だけ構造物が完成しています。試験工事では,開削工法と圧気ケーソン工法の2工法で実際に施工を行い,さまざまな施工に関するデータを収集し,最終的に開削工法を選定したそうです。

 

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青澤工事長より説明を受ける学会職員と広報委員会メンバー

 

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試験工事区間

 

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  次に,現場バッチャープラントを見せていただきました。

 バッチャープラントを現場に設置することで,長時間の運搬に伴うコンクリートの品質低下を抑制するとともに,原料を運搬した車両の復路で掘削土砂を搬出することにより工事車両の削減を可能としています。

 

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現場バッチャープラント

   

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 函体の構築に用いるコンクリートは,コンクリートの打設時期や打設部位に応じてセメントの種類を変えたり配合を調整したりしているそうです。3次元有限要素法による温度応力解析の結果に基づくもので,コンクリートのひび割れの発生を低減し,函体の耐久性を確保することを目的としているとのことで,きめ細やかな配慮に学会職員だけでなく広報委員会メンバーも感心させられました。

 

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2種類のセメントサイロ

 

4-kuniwake10温度応力解析結果(国分工事パンフレットより)

 

 続いて,土留め壁の施工状況と掘削工事の様子を地上から見せていただきました。

 

 学会職員は,見たことのないパイプクラムに興味津々でした。『UFOキャッチャーみたい!』とか『私もやってみたい!』とか,当日一番のはしゃぎっぷりでした。

 

4-kuniwake11土留め壁と切梁の施工状況

 

 

4-kuniwake12パイプクラムによる掘削状況

 

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 最後に,掘削が完了した区間の掘削底面に降りてみました。

 掘削底面では,底版コンクリートの打設や防水工,鉄筋の組み立てなど,躯体の構築に関わるさまざまな作業が行われていました。学会職員は好奇心旺盛で,ここぞとばかりに青澤工事長にいろんな質問をしていました。

 

4-kuniwake14底版の防水工の施工状況

 

4-kuniwake15側壁の防水工の施工状況

 

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鉄筋の組み立て

 

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熱心に質問する学会職員と青澤工事長

 

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土留め壁の前で記念撮影

 

 

3.現場レポート 

3.1  I職員

 郊外に行くと,広い敷地の両側に1車線ずつの道路があり,その間に壁で覆われている,又は空き地になっている部分がよくある。今回,そのような所で,実際に着工されている現場を見学させていただきました。
 区切られた工事現場は,思った以上に整然としており,想像の「現場」感はあまり感じません。
 まず始めに見せていただいた「試験施工区間」は,アスファルトが敷かれていないだけのほぼ完成された形ができており,コンサートホールのように明るく(見学時は雨天だったが),爽快感を感じたほどでありました。この場所では,“試験”と言うだけあって,わざと鉄骨が壁面に残った状態にして,本格的な施工の前に施工性を検証したとのことで,なるほどこのような形で試験工事が進められるのかと感心しました。
 次に見せていただいた場所では,まさに工事中と言った感じで,現場におりた場所から順に,掘削・整地・配筋の作業が段階的に進められており,工程の流れを実際の作業で見ることができ,非常に楽しく見せてもらいました。特に,配筋はすべて現場で行うとのことで,このような大きい現場では,配筋された鉄筋が持ち込まれ,組み立てるのだと勝手に思っていたので,なんとなく「手作り感」を感じました。正しくは,組み上げた鉄筋を運ぶほうが費用や運搬時の制約の面で不利になるとのこと,納得です。でも,アルバイトで配筋の経験がある私からすると,大変な作業だと感心しておりました。
 また,工事区内にコンクリート製造工場も設置され見学させていただきました。やはり,これほどの大工事になると,工場まで作ってしまうのかと,びっくり。また,コンクリートは,一律同様のものと思っていたが,打設の部分により2種類のセメントを使い分けていると説明され,さらにびっくり。言われてみれば,セメントの種類は多種あるし,聞けばそうかと思うのだが,打設する箇所による熱の発生の違いにより使い分けるなんて細かい計算までされているとは・・・。すべて計算されているのだと実感しました。
 計算と言えば,最初に立ち寄った事務所のボードに,次の日に実施する作業に携わる関係会社,作業内容,人数等がびっしり書かれ,1日に携わる人の計が350名程度となっていました。見学当日も同様程度見えたかと思われ,これが完成までかかると考えれば,延べ人数の天文学的数字になるのかと実感し,大工事にかかる総工費○○○億円なんてよく出てきますが,なるほど,人件費だけでも莫大な費用がかかるものだと,これまた納得いたしました。
 工事区内の道路は制限速度が10km/hとあり,見学のための車然り,土を搬出するトラック等もすべてトロトロ運転でした。騒音・防塵対策もあるのかと感じながら移動していたとき,高速道路でおなじみの『自動計測取締り』の文字が。まさかと思ったが,その看板の横には実際に装置があり,後で伺ったところ作動中で自転車でも反応するとのこと。そこまで管理の徹底がなされているのかと考えさせられました。
 あとがきとして,途中の説明を伺っている間,『完成後にここを通る際に,嫁さんに,「ここはね,完成しているけど,試験もしてるんだよ」と,知ったかぶりするネタができたなぁ』などと考えてもいました。すいません。
 見学に際し,青澤 国分工事長様はじめ関係者の方々にはご丁寧に説明いただき,大変ありがとうございました。知ったかぶりをかますことができるのを楽しみにしながら,事故無く工事が進むことを祈念しております。 

 

3.2  N職員

 東京外環自動車道国分工事の現場を見学させていただきました。現場は,市川駅から車で15分ほどの,道路の両側に住宅街が広がっているところでした。
 関係者のみが立ち入りを許可されている場所で,工事長をはじめとした,現場で指揮をとられている方々から貴重な説明を伺うことができ,緊張しながらも,大変楽しく,有意義な経験となりました。
 試験施工の現場では,2種類の異なる工法で完成した地下道路を見学させていただきました。完成した道路は,外観はほぼ変わりませんが,半分は開削工法,もう半分はケーソン工法で作られたということです。外観は同じでも,実は壁の厚さや道路下の厚さが両者では異なっていること等,説明していただいて初めて知ることばかりでした。
 また,住宅街が至近ということで,騒音・振動対策のため,現場内での車両の走行は時速10km以下に制限されている等の配慮がなされていることや,現場は,含水比の高い粘土層のため,掘った土を運び出すときに苦労していることなど,工事現場を外から眺めているだけではわからないようなことも教えていただきました。
 セメントプラントの見学では,現場内にプラントまで作られているというスケールの大きさに驚きました。セメントは2種類あり,解析結果に基づいて最適なセメントを使用しているとのことで,構造物は大きいのに,きめ細やかな対応をされていることにも驚きでした。
 最後は,建設施工中の道路を見学させていただきました。実際に現場に立ってみると,高速道路を車で運転している時とは全く違い,道路の広さ,長さをあらためて感じることができました。道路は,アスファルトだけで作られているのではなく,砂利や防水シート,モルタル等が層になって出来ているということで,完成後は見ることができませんが,様々な箇所に工夫がされていることが分かりました。
 今回,実際に高速道路を作っている過程を垣間見ることができ,絶え間ない技術の開発,技術者・研究者の努力や創意工夫,現場で働いている多くの人たちの地道でひたむきな作業等々すべてのことに頭が下がる思いでした。日本の土木技術のレベルの高さ,素晴らしさについては,テレビなどでしばしば耳にしますが,百聞は一見に如かずで,今回,自分で体験させていただき,実感することができました。
 今回の見学にあたって,NEXCO東日本,鹿島・大林JVの関係者の皆様にはお忙しい中お時間を作っていただきありがとうございました。このような貴重な機会をいただき,感謝申し上げます。

                                            

4.おわりに 

 金子副所長,青澤工事長をはじめ,今回の取材に協力してくださったすべての関係者の方に,この場を借りて御礼申し上げます。お世話になり,ありがとうございました。 

 

 

(文責:中央開発㈱ 今村雅弘) 

 

 

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