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学会誌「地盤工学会誌」の新しい編集方針

2007年3月20日

「地盤工学会誌」編集委員会

地盤工学会は,中長期ビジョン報告書(2006年5月)に示されているように,現在,会員数の減少に伴い,財政縮小を余儀なくされ,危機的な状況に直面しつつあります。このことは昨年9月号に掲載された「会長就任の挨拶」にも明確に示されています。このため,今後,A)技術者の資質向上,B)学術技術の進歩への貢献,C)社会への貢献の3領域に重点を置いて,会員の皆様に役立ち,親しまれ,魅力のある学会を目指して改革していくことが急務となっています。学会の各部会では,その改革の実行プラン(中長期アクションプラン)に沿って,平成18年度を皮切りに,今後5年間にわたって改革を推進していくことを第一の目標としています。

「土と基礎」編集委員会では,昨年の5月以来,中長期ビジョン/アクションプランに沿って編集方針の改革について検討してきました。まだ道半ばではありますが,以下にその骨子を述べさせていただきたいと思います。

 

■中長期ビジョン/アクションプランに基づく会誌部の重要課題

中長期ビジョンでは,学会誌「土と基礎」に対して次に示す改革方針が示されています。

技術者の資質向上に役立つ「学会誌の充実」

1)会誌編集委員の構成に,会員構成(職域構成,年齢構成,性別)を考慮した人選を行う。国内外の関連学問・技術の動向・将来展望等を編集に反映させる。

2)設計・施工・維持管理例を増やす等,実務者が読みたい内容にする。

3)他の商業雑誌と競争でき,しかも商業雑誌とは違う専門学会誌であることを最大限生かす戦略の策定を行う。

 

■上記を踏まえた編集方針

1.学会誌「土と基礎」の名称変更を検討する

(必要性)

学会名は土質工学会から地盤工学会に変更されましたが,現状では掲載すべき内容と学会誌名はミスマッチしています。学会名を改名した後に活動対象範囲を拡大したはずでありますが,学会誌には思うように情報が集まっていません。学会誌名を変更する必要があります。

 

(改革案)

・学会誌名を変更するとすれば,平成20年1月号からを予定しています。

・新しい名称としては,次のような案が編集委員会で挙がっています。

GEOTECH,ジオテク,じおてく,GEOてく,GEOテク,じお,ジオ,GEO,地をTECH,G-tech,ジオテクジャーナル,JGSマガジン,地盤工学マガジン,地盤技術,地盤工学マンスリー,Monthly magazine S&F,地盤エッセイ,地圏技術,地圏の技術,地圏と技術,天地をつなぐ,地に建つ,大地の匠,CHI KEN,jgs,g&e,地盤と基礎,地盤工学会誌

 

今後,会員の皆様のご意見をお聞きして,名称を変更するかどうか,変更するとしたらどのような名称にするかについて慎重に検討したいと思います。ちなみに,読者モニターの方のご意見では,名称の変更に対して賛成と反対がほぼ同数となっています。また,平成18年11月30日に開催された「座談会」では,よい名称があれば,変更してもよろしいのではというご意見をいただきました。

 

2.実務者に役立つ学会誌を目指

(必要性)

会員構成の多数派である実務者の方に魅力的な雑誌を提供することが重要であると考えています。高い技術レベル・最先端の話題・研究段階のものばかりでは,関心はあっても有用性に欠けます。特に,次の点を重視したいと思います。

・上記の中長期ビジョンにありますように,今後は「調査・設計・施工・維持管理」をキーワードとします。学術論文は「地盤工学ジャーナル」,「S&F」への投稿をお勧めします。なお,ここで「土と基礎」は査読付き学術論文集ではないことを改めて付記いたします。

・「地盤構造物」として「盛土・擁壁」「基礎構造物」「地下埋設管」「トンネル」「地下タンク」「地下鉄」「地下放水路」など構造物を対象とした切り口による領域拡大を図る必要があります。

・設計施工例など実務と実践のフレッシュでタイムリーな記事を増やす必要があります。例えば,被害報告だけでなく復旧報告や耐震設計・施工,耐震診断・補強の展望など一歩進めた記事などです。

 

(改革案)

・上記の必要性を考慮して登載区分を変更します。その変更点は以下のとおりです。なお,変更時期は平成20年1月号からとします。

1)「論文」という区分を廃止し,「論文」に対して行ってきた,新規性を重視する,また内容を大幅に変更させるような厳しい査読も廃止します。

2)「報告」として,特に「地盤構造物」を対象とした記事を集めます。

3)「速報」を立ち上げ,事故・災害に関連した記事をスピードアップして掲載します。

4)「技術紹介」を立ち上げ,教育・技術等の連載記事を集めます。執筆依頼はリレー方式とします。

 

ただし,「報告」が「論文」よりもレベルが低いと考えているわけではありません。多くの実務者の方から,設計や施工例等を投稿していただきたいと考えてお り,そのため,学術論文としての厳しい査読も行わないこととします。さらに,「報告」の内容が拡充されれば,「地盤工学ジャーナル」や「S&F」への投稿をお勧めしたいと考えています。

 

・工事報告・事例報告(「報告」に掲載)を公募でも集めます。この際,1年間のテーマを表で示すなどして公募し,実務者の方からより多くの原稿を投稿していただけるよう広報に努めます。

・ 特集号のテーマは偏りなく広範囲の分野から選定します。例えば,①話題となっているもの,②研究開発が進み実用化の進展が見られる分野,③地盤工学内の分 野・グループ分けに基づき進展のあるものや関連技術分野との新しい開拓分野,④技術動向や将来展望などを念頭に選定します。

・1年間の内,一月号程度の特集を支部に任せることについて検討します。支部独自のユニークな特集を期待しています。

・講習会が開催できるような「土と基礎」特集号の編集を目指します。

・毎年8月号に掲載されている研究委員会報告は,実務的な内容で,読みやすいものとします。内容が論文として扱うようなものであれば,さらに「地盤工学ジャーナル」への投稿を勧めます。

・年間テーマは,テーマ選定に役立っていないのであれば設定する必要はなく,廃止します。なお,編集委員会の中で編集における年間テーマを設定することはあります。

 

3.編集委員会の組織構成を見直す

(必要性)

「土と基礎」編集委員会の組織構成の現状と問題点は以下のとおりです。

1)現状:

・「土と基礎」編集委員会は,企画・編集グループ委員会と特集号の編集を直接担当する4グループ(第Ⅰ~第Ⅳグループ委員会)で構成しています。企画・編集グループ委員会でのテーマ選定会議では,各担当グループから委員1名が参加しています。

2)問題点:

・テーマ選定において,企画・編集グループ委員会に各担当グループからの意見があまり反映されていません。

・ 各担当グループ委員会は,企画・編集グループ委員会で企画されたテーマを持ち寄り(丸投げに近い),その原稿募集・依頼・編集を行っています。各担当グ ループ委員会は専門により分けられた編集委員会ではないため,専門外のテーマであっても全体構成の作成から執筆者選びまで模索しながら編集作業を実施して います。このように,担当グループ委員会の負担が大きくなっています。

 

(改革案)

・特集号のテーマや執筆者の選定のために,ベテラン技術者の方に企画・編集グループの委員として協力していただくことにします。また,執筆者の中のベテラン技術者の方に全体の構成について意見を求めることもあります。

・年齢構成を考えて,20代から30代前半の若手技術者や学生にも編集委員に加わっていただきます。なお,女性編集委員は,現在,3名でありますが,さらにご参加を呼びかける予定です。

・企画・編集グループ委員会と第Ⅰ~第Ⅳグループ委員会の役割分担を見直し,よりスムーズに編集作業ができる編集体制に変更します。

・専門分野によるグループ委員会構成に変更することも検討します(長期的課題)。地盤工学会の活動対象範囲で4グループに分けるなど,「2.実務者に役立つ学会誌へ」で述べた内容と関連づけたグループ編成などにします。

・「報告」を増やすために,ゼネコン・コンサル・官公庁からの編集委員を増やします。

 

4.各コーナーを充実させる

(必要性)

「土と基礎」は会員のための学会誌であり,会員の学会加入の目的は以下のとおりと考えています。

1)情報収集: 有用な情報の提供が必要。

2)成果発表の場: 良い成果には良い評価を。例えば,表彰制度の活用など。

3)会員間の交流: 会員相互の交流の場を提供。会員間のネットワーク作りに。

4)議論できる場: 技術的な内容の議論を望む声もあるので,意見を吸上げる仕組として「会員からの声」のようなコーナーでの掲載も必要。

以上の目的を達成し,親しみのある身近な学会にするため,各コーナーの掲載実績をみてコーナーの見直しをすることが必要です。

 

(改革案)

・登載区分を見直し,次のように変更します。

1)「ひろば」,「ねんどざいく」,「Zoom Up Young-Stars」をまとめて,「寄稿(会員の声)」とする。双方向の編集を実現するために,質問に回答することについても検討する。

2)「学会活動から」,「支部ネット」,「ISOだより」をまとめて,「学会の動き」とする。

3)「ニュース」を「国内の動き」と「海外の動き」に分ける。

4)「中長期アクションプラン」のコーナー設置を検討する。

5)会員からの原稿リクエストについて検討する。

6)読者モニターの方からの意見を「会員の声」として掲載することを検討する。

 

5.目的にあった「講座」を目指す

(必要性)

講座の内容は以下の3系列となっています。

(1)第1系列:直接地盤工学に関係するもので,内容が研究的なもの(理論,実験)

(2)第2系列:直接地盤工学に関係あるもので,内容が実務的なもの(実際の計画,調査,設計,施工)

(3)第3系列:たとえ地盤工学に直接関係は薄いことでも,土木・建築・地質・農学などの各分野に共通の基礎的ないしは教養的な内容のもの。

これに対して,現状と問題点は以下のとおりです。

講座の内容が研究的なものに偏っていて,最新の研究成果を公表する場になってはいないかという問題点が常々ささやかれています。講座では(1)の項目についても,広く認知されていることが前提で,認知されていないものを掲載するのは講座として不適格であります。この見極めが重要です。

 

(改革案)

・上記のような広く認知されていない研究的内容は,「地盤工学ジャーナル」に投稿していただきたいと考えています。地盤工学ジャーナルでは今後,State of the artを掲載する予定です。

・(2),(3) に関して,読者モニターの方のご意見を参考にすると,「初~中級技術者向けの実践的な内容」,「実務の基本となる簡単な調査法・設計法」など,教育的な内 容の掲載希望があります。このため,「初級講座」を設けます。この編集においては,編集者・執筆者として各分野のオーソリティーにご参加いただき,全体構 成や執筆者選定に協力していただくことも考えています。

・双方向の編集を実現する一つの方法として,講座の内容について質問を受け付けることについて検討します。例えば,「土と基礎」に質問コーナーを設け,質問と回答を掲載する,または,HP上やメールで質問の回答を知らせるなどの方法が考えられます。

 

6.読みやすい学会誌にする

これについては,現状と改革案を以下に示します。

・以前から,「土と基礎」は内容が難しく,読みにくいという意見が多いので,難しい話も読みやすく解きほぐして説明することに心がけます。

・3ページでは読みやすい記事を書くのは困難と考えますので,「報告」のページ数は原則4ページとします。

・カラー化については,オールカラーはコストがかかり過ぎるので,口絵写真以外にカラーページを設けるなどで対処します。また,図もカラー化して見やすくします。

 

7.編集の基本方針は継承する

以上,「土と基礎」の編集方針を改革することについて述べてきましたが,長い歴史のある「土と基礎」という学会誌をまったく違ったものに編集しようとして いるわけではありません。従来どおり,「土と基礎」の専門学会誌であるという位置づけは揺るぎないものであり,これからもその特徴を継承していく方針で す。

 

8.ホームページを活用する

・会員の皆様に,より早く学会行事等に関する情報を提供するため,会告の主体をHPに移します。ただし,記録として残すことも重要ですから,会告の中で主な部分は「土と基礎」にも掲載します。

・「土と基礎」12月号は毎年,研究発表会について特集していますが,ページ数が通常の2倍になっています。12月号のページ数を減らすために,HPへの掲載も考慮して,「総括」の編集方針を変更します。

 

9.学会誌「土と基礎」改革をPRする

・会員の皆様に「土と基礎」の改革を理解していただく必要があります。

・学会全体についての「座談会」を企画部主催で実施し,その一つの項目として「土と基礎」の改革も取り上げてもらいます。(これはすでに実施済みで,この「座談会」記事は平成19年4月号に掲載されます。)

 

10.編集改革は随時行う

・現時点で1年半後までの特集テーマが決定し,半年後の特集号の執筆依頼もすでに終えています。このため編集方針をすぐに変更することは困難です。

・現在進めているものの編集はそのまま継続しつつ,以上の改革の精神を常に念頭に置いて,変更できるところは随時織り込みながら改革を進めていきたいと考えています。

 

以上,学会誌「土と基礎」の編集方針とその改革案について述べさせていただきました。この案には,今後,実施に向けてさらに検討すべきことも多く含まれております。

会員の皆様には,忌憚のないご意見を会誌部( このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください )までお寄せくださいますようお願い申し上げます。特に,学会誌の 名称につきましては,編集委員会からの例を示しておりますが,より相応しい名称がございましたら,ご提案ください。多くの方からのご意見・ご提案をお待ち申し上げております。

 

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