研究不正に対する調査報告

各位

 

 公益社団法人地盤工学会は,2017928日の理事会議決を受けて,2018627日に調査委員会を立ち上げ,元会員秦吉弥氏が地盤工学会で公表した論文を中心に不正の有無を調査しました.これまでの調査委員会の調査の結果,不正の内容は地震波形のねつ造に関するものだけであることが明らかとなりました.また,2019315日付で公表された大阪大学の調査結果から,調査委員会が調査した論文は次の4つに分類できることがわかりました.

  1. 大阪大学が地震波形をねつ造あるいは改ざんされたと認定した論文と内容が重なる論文
  2. 大阪大学が特定不正行為の疑いは強いものの断定できず判定保留とした論文
  3. 大阪大学の公表リストには含まれず,地震波形をねつ造あるいは改ざんしている可能性が高いが判定できない論文
  4. 大阪大学の公表リストには含まれず,論文中に地震波形に関する記述がないため不正の有無が判断できない論文

なお,地震波形のねつ造に関しては,秦氏が単独で行うことが可能であったと判断いたしました.また,秦氏以外の共著者がねつ造に関与していたと考えるべき根拠は見いだせませんでした.

調査委員会の調査報告は,2019517日の理事会で報告・審議がなされ,了承されています.それを受けて,関係する各編集委員会及び部会,支部には適切な対応を行うよう通達しました.併せて,今後このようなねつ造あるいは改ざんに関する事案が発生しないよう,会員への周知を進めてまいります.

 

令和元年6月5日

公益社団法人 地盤工学会

会長 大谷 順