年頭の挨拶 2024

第37代会長
第37代会長  古関 潤一
 ライト工業(株) 開発本部

 明けましておめでとうございます。令和6年(2024年)の新年を迎え,謹んでご挨拶申し上げます。

 一昨年の総会で会長を拝命して以来,本稿を準備している11月末の時点で約1年半が経過いたしました。

 令和5年の学会活動と学会行事への参加状況を少し振り返ると,7月には第58回地盤工学研究発表会に福岡で現地参加いたしました。対面を基本として一部をハイブリットで実施する開催形式を試行させていただいた結果として,個人的には,お世話になっている方々へのご挨拶や懐かしい方々との久しぶりの再会を果たすことができました。一方で,4年ぶりに開催された交流会に関して,参加者の皆様から厳しいご意見を頂戴しました。この場をお借りして深くお詫び申し上げます。交流会の趣旨やアトラクションの内容等を真摯に見直して,今後の運営に反映させる所存でおります。

 9月には「実務技術者のための地盤工学会賞受賞技術・業績講演会」に,10月には国際地盤工学会のTC209と共催した「洋上風力発電のための地盤工学技術に関する国際ワークショップ」に,11月には「第4回地盤環境工学に関する日米ワークショップ」と「第2回環境に配慮した持続可能な建設技術に関する国際会議(CREST 2023)」に参加させていただきました。また,12月にはベトナム地盤工学会ほかと共催する「第5回持続可能な社会基盤開発のための地盤技術に関する国際会議(Geotech Hanoi 2023)」に参加予定でおります。

 これらに先立つ4月には国際地盤工学会でアジア地区を担当されているショウ副会長が台湾から来訪されました。本学会の現状についてご説明するとともに,アジア地区会議のあり方等に関し学会内関係者も交えて率直かつ有意義な意見交換を行うことができました。

 次に,最近の取り組みを2件ご紹介いたします。まず,会長特別委員会として『応用地質学と地盤工学の協働に関する会長特別委員会』と『「残土」の適切な取扱いに向けた地盤工学上の課題に関する検討委員会』が令和4年度まで運営され,これらの成果を受けた活動を現在も継続しておりますが,令和5年度からは新たに「中長期ビジョン2023 検討委員会」を設置いたしました。近年の社会経済活動の変化状況や会員数の動向等を踏まえつつ,学会の諸活動内容の再整理を行い,今後の学会事務局の業務内容・人員体制や会館のあり方までも対象とした検討を実施しております。

 また,「地盤工学大全(仮称)編纂可否検討委員会」を公益出版部内に設置いたしました。本学会では「地盤工学ハンドブック」を1980 年と1999 年に刊行いたしましたが,すでに20年以上を経過しております。そこで,最新情報までを網羅し,特に実務者の方々に手元に置いて使っていただけるような工学技術書を新たに発刊する意義が大きいものと考えて,その概要等についての事前検討を令和5年度より行っております。

 結びになりますが,特別会員の皆様に不躾なお願いを申し上げます。最新の特別会員リストが学会HP上(https://www.jiban.or.jp/?page_id=555)にございます。必要に応じ現状をご確認いただいたうえで,ご無理のない範囲での上位等級への変更をご検討いただき,本学会の持続的運営にご協力いただけますと幸いです。なお,会員特典の改善・拡充についての見直しも行っておりますので,忌憚のないご意見をお寄せください。

 会員の皆様が実り多く,健康で幸せな一年を送られることを祈念し,年頭のご挨拶とさせていただきます。