データサイエンスは入手可能なデータから、有益な知見を導くアプローチであり、幅広い分野において必要とされる。多くの不確かさを有し、量的にも限られた情報資源から、現象の予測や把握を行う地盤工学においては重要な手段となる。これまでに、不確実性の統計評価、各種の物理探査手法、パラメータ推定などの逆解析、人工知能といったデータサイエンスに属する研究/技術開発は行われているものの、これらを包括的に議論する機会は限られてきた。このような背景のもと、本研究委員会は地盤工学が関わる調査(災害調査を含む)、解析(データ分析,数値解析など)、評価(意思決定など)の中でどのようにデータサイエンスを導入し、活用するかについて、次世代の地盤工学の在り方や新しい地盤工学の切り口を見据えて議論することを目的に発足した。地盤工学分野においては、多くの計測データを集め,ブラックボックス化されたAI(人工知能)によって予測を行うような力学的背景を持たない方法は認められにくい現状がある。一方で、ベイズ推定は、破壊確率やパラメータ推定などにおいて重要性が増しており、その解析過程には物理法則を導入できるため、当該分野に受け入れられやすい枠組みであると言える。そこで、本研究委員会では、ベイズ推定を軸に議論を進めながら具体的な方法論を共有して資料をまとめること、「災害調査データの収集と活用」委員会で得たデータやその他データへの適用に挑戦することを目指す。なお、活動期間は3年間を想定する。
活動方針 :
1. 国内外の地盤工学分野におけるデータサイエンスの利活用に関する現状把握
2. 最新技術の共有と学会への情報提供(シンポジウム・地盤工学研究発表会DS開催)
[活動期間: 2021(令和3年)年度-]
2021年7月版
No. | 会 務 | 氏 名 | 所 属 |
1 | 委員長 | 藤澤 和謙 | 京都大学大学院農学研究科 |
2 | 委員 | 上田 恭平 | 京都大学防災研究所地盤災害研究部門 |
3 | 委員 | 大竹 雄 | 東北大学大学院工学研究科 |
4 | 委員 | 小野 耕平 | 愛媛大学大学院理工学研究科 |
5 | 委員 | 笠間 清伸 | 九州大学大学院工学研究院 |
6 | 委員 | 加村 晃良 | 東北大学大学院工学研究科 |
7 | 委員 | 小林 孝彰 | 鹿島建設株式会社土木設計本部解析技術部 |
8 | 委員 | 柴田 俊文 | 岡山大学大学院環境生命科学研究科 |
9 | 委員 | 珠玖 隆行 | 岡山大学大学院環境生命科学研究科 |
10 | 委員 | 竹内 秀克 | 株式会社不動テトラ地盤事業本部技術部 |
11 | 委員 | 西村 伸一 | 岡山大学大学院環境生命科学研究科 |
12 | 委員 | 野々山 栄人 | 防衛大学校システム工学群建設環境工学科 |
13 | 委員 | 宮本 順司 | 東洋建設株式会社鳴尾研究所 |
14 | 委員 | 森口 周二 | 東北大学災害評価・低減研究部門計算安全工学研究分野 |
15 | 調査研究部担当 | 内藤 直人 | 豊橋技術科学大学 |