地球環境問題の解決に向けた環境地盤工学分野の新たな展開に関する研究委員会

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委員会趣旨

地盤⼯学会では,1990 年代後半より様々な地盤環境問題が顕在化してきたことを契機として,環境地盤⼯学に関する研究委員会が継続的に活動し,これまで14 回に及ぶ環境地盤⼯学シンポジウムを担当委員会として開催するなど,着実に成果を発信してきた。例えば,直近の「地盤環境汚染対策の科学的合理性判定のための調査・試験・評価法に関する研究委員会」(2019〜22 年度,委員⻑:⼤阪⼤学 乾 徹)では,掘削⼟砂・ずりに含有される地質由来の有害物質の溶出挙動を評価するための試験⽅法について議論を深めるとともに,室内試験と現場をつなぐための実⼤盛⼟試験も開始し,実現象を合理的に評価するための⽅法や制度について多くの学術成果を挙げてきた。
これまでの環境地盤⼯学に関する研究委員会では,主に地盤汚染や廃棄物処理・再⽣利⽤等に重点を置いた活動が⾏われてきた。⼟壌汚染対策法や放射能特措法,廃棄物処理法といった現⾏の規制に対しては地盤⼯学の果たす役割は依然として⼤きく,喫緊の課題としては六価クロムの規制強化や,有機フッ素化合物などのPOPs への対応が求められている。
⼀⽅で,地球温暖化や⽣物多様性といった多様化する地球環境問題の解決のためには,近視眼的ではなく俯瞰的に,学術領域としての環境地盤⼯学の位置付けやあり⽅を議論する必要がある。例えば,CN(カーボンニュートラル)を⾒据えエネルギーミックスを⽬指す社会においては,発電施設から排出される副産物の利⽤・廃棄物の処分に対して,規制や対策だけでなく次世代教育も含め学際的に取り組むことは不可⽋である。今後,地盤⼯学分野においてもプラネタリー・バウンダリーを意識した地球環境問題に取り組んでいくことが不可⽋と考えられる。これまでも幅広い専⾨分野の研究者,
実務者が問題点や課題を共有し,その解決に資する学術研究を実施するプラットフォームとしての役割を果たしてきたが,今後はより広範な他分野との交流を深め,地球環境問題を解決するために進むべき環境地盤⼯学の姿を⽰していくこと,
そして,科学技術やこれを⽀える思想を着実に次世代へつないでいくことが重要と考えられる。
このような現状を受け,学術分野の広範な連携を⼟台とし,⼟壌・地下⽔汚染や廃棄物処理・リサイクルに関連する規
制対応,CN や国⼟保全に向けて現代から次世代にかけた課題整理などを⾏い,地域性の強い問題から地球規模の環境問
題までを対象に地盤⼯学的視点から解決⽅策を⽰すべく,上記研究委員会を本部委員会として設⽴することを提案する。
具体的には,以下のようなワーキンググループ(WG)を設置し活動を⾏う予定である。
1. 規制対応WG 2. 新学術領域WG 3. 環境教育WG

委員名簿

2024年10月更新(2024年6月13日付名簿)

No. 会務 姓_名 所属
1 委員長 遠藤 和人 国立環境研究所 福島地域協働研究拠点
2 副委員長 加藤 雅彦 明治大学
3 幹事長(WG2担当) 高井 敦史 京都大学
4 幹事(WG1担当) 隅倉 光博 清水建設株式会社
5 幹事(WG3担当) 渡邊 保貴 一般財団法人電力中央研究所
6 委員 新井 靖典 西武建設株式会社
7 委員 伊藤 健一 宮崎大学
8 委員 伊藤 大知 早稲田大学
9 委員 伊藤 浩子 一般財団法人 地域地盤環境研究所
10 委員 伊藤 浩 東急建設株式会社
11 委員 稲垣 由紀子 (国研)土木研究所
12 委員 乾 徹 大阪大学
13 委員 井野場 誠治 (一財)電力中央研究所
14 委員 井本 由香利 国立研究開発法人産業技術総合研究所
15 委員 内田 篤貴 日本物理探鑛株式会社
16 委員 大塚 義一 株式会社奥村組
17 委員 大嶺 聖 長崎大学
18 委員 大山 将 (株)鴻池組
19 委員 岡田 雄臣 日本工営株式会社
20 委員 小河 篤史 株式会社奥村組
21 委員 小川 翔平 (一財)電力中央研究所
22 委員 勝見 武 京都大学
23 委員 GATHUKA LINCOLN WAWERU 国立環境研究所 福島地域協働研究拠点
24 委員 加藤 雄大 清水建設株式会社
25 委員 加藤 智大 京都大学大学院地球環境学堂
26 委員 川村 功一 国際航業株式会社
27 委員 國井 聡 前田建設工業株式会社
28 委員 昆 周作 土木研究所
29 委員 酒井 崇之 名古屋大学大学院
30 委員 肴倉 宏史 国立研究開発法人国立環境研究所
31 委員 阪本 廣行 株式会社 フジタ
32 委員 品川 俊介 国立研究開発法人土木研究所
33 委員 鈴木 弘明 八千代エンジニヤリング株式会社
34 委員 龍原 毅 パシフィックコンサルタンツ株式会社
35 委員 田中 悠平 国立環境研究所
36 委員 土屋 秀二 応用地質株式会社
37 委員 土肥 浩大 UBE三菱セメント株式会社
38 委員 中島 誠 国際航業株式会社
39 委員 中野 正樹 名古屋大学
40 委員 成島 誠一 株式会社甲斐組
41 委員 成瀬 美樹 応用地質株式会社
42 委員 西方 美羽 産業技術総合研究所
43 委員 根岸 昌範 大成建設(株)
44 委員 野口 真一 一般社団法人泥土リサイクル協会
45 委員 野田 典広 基礎地盤コンサルタンツ株式会社
46 委員 長谷川 怜思 ヤチヨエンジニヤリング株式会社
47 委員 長谷川 亮 株式会社環境管理センター
48 委員 秦野 健司 応用地質株式会社
49 委員 浜野 真季 大幸工業株式会社
50 委員 早野 公敏 横浜国立大学大学院
51 委員 平田 桂 株式会社MCエバテック
52 委員 藤川 拓朗 福岡大学
53 委員 古川 全太郎 九州大学
54 委員 星 将太 株式会社JERA
55 委員 FLEMMY SAMUEL OYE Nagasaki University Graduate School of Engineering
56 委員 前田 直也 中宇開発株式会社
57 委員 三浦 俊彦 株式会社大林組 技術研究所
58 委員 水谷 聡 大阪公立大学
59 委員 水野 克己 一般財団法人 地域地盤環境研究所
60 委員 光本 純 株式会社大林組
61 委員 三成 映理子 国立研究開発法人 国立環境研究所
62 委員 門間 聖子 応用地質株式会社
63 委員 保高 徹生 産業技術総合研究所
64 委員 山田 優子 国際航業株式会社
65 委員 米田 英治 川崎地質株式会社
66 委員 王 海龍 早稲田大学