令和2年度 第23回 事業企画賞表彰

◆第23回 事業企画賞表彰◆

令和2年度事業企画賞表彰者が、令和3年3月19日の理事会において決定し、令和3年6月4日の第63回通常総会で授与しました。

表彰業績名 表彰対象者
実務シリーズ 33.河川堤防の調査・検討から維持管理まで(2020 年 3 月 31 日発行)
河川堤防の調査・検討から維持管理まで」執筆者一同

●授賞理由:

 本企画は、近年、頻発化・甚大化する台風・豪雨による被災事例にて社会的にも関心が高まる,河川堤防技術を扱う出版に関するものである。地盤工学の見地から、歴史と現状、被災事例から、調査・設計・対策工・維持管理法を網羅的に扱う、学術性・有用性の高い書籍の提供につながっている。あわせて、産官学の関係者での共同執筆にあたった点、関連講習会を企画している点は、学会活動の活性化や会員サービスの充実にもつながる成果をあげている。河川堤防の管理・施工に関わる技術者向けには、数年前倒しの出版がより効果的であったとの見方はあるものの、技術と知見の普及、ならびに学会活動の活性化の観点で高い評価に値すると判断して、事業企画賞候補として推薦する。

知っておいてほしい地盤のはなし —地盤リスクとの付き合い方-

東北支部 東北地域地盤災害研究委員会地盤リスク検討小委員会

●授賞理由:

 本企画は、一般向けの知識提供、意識啓発に主眼を置いて、地震、降雨、降雪・火山等の地盤リスクを扱った、Web 版冊子の製作と公開にあたったものである。専門知識のない読者向けの表記、体裁、構成に配慮を施しつつ、地元の災害の振り返りや興味をそそるトピックスを扱う独自の工夫が盛り込まれている。また、東日本大震災から 10 年を迎えるタイミングで東北支部ならではの取組みは、地域に根差した貢献性・公益性の観点でも高い評価に値する。既往の一般向け企画と同様に、対象読者の想定と技術内容のバランス、および学術的知見との整合については,課題や改善の可能性があるものの、支部・本部でもその実績を共有する価値のある取組みととして事業企画賞候補として推薦する。 

四国地域の地盤防災研究の推進と地域コミュニケーションを目的とした委員会活動 四国支部 地盤地震防災研究委員会
(原 忠委員長、山中稔副委員長、中島昇幹事長、上野勝利幹事、岡村未対幹事、神田幸正幹事、斎藤和幹事、野谷正明幹事、安藤秀一委員、稲村貴志委員、田村晋吾委員、岡林宏二郎委員、尾川七瀬委員、増田盛士委員、北澤聖司委員、北出圭介委員、北村暢章委員、黒田修一委員、小林昌弘委員、嶋本栄治委員、遠山登委員、中川頌将委員、中根久幸委員、中村雅夫委員、西本健一委員、藤川誠次委員、古市正敏委員、大藪剛士委員)

●授賞理由:

 本企画は、防災、耐震に関する研究推進、技術普及、技術者育成への貢献を目的とした支部活動を、三期・10 年にわたり継続的取り組んだものである。東日本大震災の現地視察や調査、試験実習・解析講習、さらには四国地域の液状化問題に関わる調査と取りまとめに至るまで、南海トラフ地震による広域災害が予想される地元の支部ならでは取組みを推進している。国土交通省四国地方整備局との協力や成果普及に向けた支部大会の活用を推進し、学会活動の活性化や若手技術者育成など直接的・副次的な効果をあげている。個々の活動の独自性や創意・工夫を知識化・具体化し学会内共有を図ることは,今後の取組みとして期待が寄せられるが、地域に根差した継続的な取組みとして評価に値するとの理由により、事業企画賞候補として推薦する。