公益社団法人 地盤工学会 調査・研究部
調査・研究部が運営する委員会には,毎年定期的に新設される研究委員会と先駆的テーマに関する委員会設置の検討を行う調査委員会のほかに,活動資金の一部または全部を参加機関が分担拠出する公募型委員会,他機関から研究委託によって設置される受託委員会,重点課題について研究企画小委員会から不定期に企画・設置される研究小委員会等があります。研究委員会は会員の自主参加の下に,地盤工学に関するテーマの研究・調査に積極的に取り組み,その成果を会員に還元しようとするもので,重要な学会活動の一つとして位置付けられています。
今回は,平成27年度に新設する研究委員会の委員を公募いたします。本委員会の活動期間は平成30年3月までの3年間となっています。応募を希望される方は下記要領に従い,5月15日(金)までに地盤工学会・調査・研究部宛にお送りください。なお,応募者は学会個人会員とし,同一年度での応募は各人1委員会に限らせていただきます。
記
◎委員を公募する委員会テーマと委員会発足の主旨
①委員会名:エネルギーに基づく液状化予測手法に関する研究委員会
委 員 長 :國生 剛治 氏(中央大学名誉教授)
主 旨:
設計地震動が大きくなり、継続時間の重要性も大きく認識されてきた昨今、現状のFL法は性能設計の枠組みに十分応えられるものになっていない。とくに、新たな地震の度に地震波補正係数の妥当性が問題となる点や、液状化発生時の地盤の靭性能を評価しにくい点などが挙げられる。
本研究委員会では、従来のFL法と並んでさらに先進的なエネルギーの概念に基づいた予測評価する方法について調査・研究し、実用化を目指す。
具体的な活動としては、
1)エネルギーの視点から,液状化予測する手法についてレビューし,その課題を抽出する。
2)これまでの多種に渡る大量の液状化試験データをエネルギー的観点から、土の液状化抵抗を評価・再整理し
データベースを整える。
3)地盤に入力される地震動エネルギーの評価法について、いくつかの方法の比較検討を行う。
4)事例解析によって,その適用性を従来法と比較検討する。
成果としては実用に供することの出来る設計コード案,ツールを整理・配布し,その技術の普及を目指す。
②委員会名:社会実装に向けた新しい地盤環境管理と基準に関する研究委員会
委 員 長 :肴倉 宏史 氏(国立環境研究所)
主 旨:
「21世紀の新しい地盤環境問題の解決方策に関する研究委員会」(2011~2013年度・福岡大学・佐藤研一委員長)においては,それまでに直面したことがなかった地盤環境に係る新しい問題を解決するべく、鋭意,研究と議論を研鑽してきた.具体的には、自然由来の重金属問題,吸着効果を取り入れた遮水バリアの設計の未確定問題,社会経済を念頭においた環境コストの精緻化等である.また、この研究委員会活動中に,我々は2011年東北地方太平洋沖地震に起因する様々な地盤環境問題に直面した.そして,これら実際に生じている課題の解決を進めていくためには,環境法令や試験で得られた結果から対象サイトの地盤条件を包含した最終的な安全性を指標化し,新しい地盤環境管理と基準の姿を国民に提示していくことの重要性を強く認識した.また,この点が,地盤環境問題の解決において大きな隘路であることが明確となった.
そこで,この問題を解決するべく,本提案の研究委員会設立を提案したい.環境地盤工学分野の研究課題は,日本全国規模あるいは全国の各所で,時代の変遷とともに,種々出現していることから,全国規模での実施が望ましい.具体的には,以下のようなワーキンググループ(WG)を設置して効率的に進める予定である.
1.試験法の高度化WG
2.試験により得られた結果に基づく安全性評価・シナリオWG
3.問題を解決するための環境行政への実装WG
4.地盤の環境問題の社会啓蒙WG
◎公募する委員の会務と人数
研究委員会は,委員長,(副委員長/幹事長/幹事),事務担当幹事および委員で構成され,このうち委員を公募します。委員の方には,委員会発足後に決められる運営方針に従い調査,研究活動を行っていただくほか,成果の取りまとめ等にも協力していただきますので,実質的な作業負担が伴うことをご承知おきください。なお,委員の中より幹事を選出することもあります。公募人数については,研究テーマに関して会員に資する成果が上げられ,かつ委員会が円滑に運営されて,委員間相互で十分な意思疎通が図れる程度の人数とし,委員長と調整,決定するものとします。
◎委員の選定方法
応募者が多数の場合には,提出された業績に関する資料(応募要領の(7),(8)等)を参考に,原則として調査・研究部が選定いたします。
◎応募方法
テキストファイル等に、以下の項目を漏れなく記入の上,5月15日(金)までに地盤工学会調査・研究部宛にメールまたはFAXでお送りください。
(1)応募する委員会名
(2)氏名
(3)会員番号
(4)所属・役職
(5)生年月日
(6)連絡先住所,電話,FAX,E-mail
(7)過去5年間の主な業績(論文または担当業務)
・論文の場合は,著者,タイトル,掲載誌,掲載ページ,発行年月 等
・担当業務の場合は,その概要(プロジュクト名,時期,場所,主な内容等)
(8)過去5年間における地盤工学会における活動内容(委員会,座長等)
◎申込み・問合わせ先
地盤工学会 調査・研究部「新設委員会委員公募」係
Tel.03-3946-8673, Fax.03-3946-8678
chosaki@jiban.or.jp