公益社団法人 地盤工学会 調査・研究部
今回の東日本大震災では,現行基準を満たさない既存土構造物や個人宅地の被害および想定外の巨大津波による被害が際立っており,これまでの調査から,継続時間の長い強震動の作用と地盤変状の問題,津波による洗掘・浸食作用と土構造物の破壊・崩壊の問題,それに対応するための地盤工学技術の開発と適用など,新しい地盤力学・地盤工学の展開を必要とする問題が浮かび上がっています。
また,膨大な量の災害廃棄物や津波堆積物の処理と有効利用の問題,同じく膨大な量に達するとみられる放射性物質で汚染された土壌や廃棄物の処理,広域地盤沈降や冠水の長期化による環境衛生問題など,様々な地盤環境課題も顕在化しております。
地盤工学会では,先に,地盤力学・地盤工学の問題の解決を目的として,会長特別委員会の下に先に3つ調査研究委員会を発足させましたが,ここに,さらに地盤環境問題の解決を図るべく,4つ目の委員会「地盤環境研究委員会」を発足させることになりました。
つきましては,委員を会員の皆様から広く公募いたします。活動期間は平成26年3月までの2年半を予定しております。
若手研究者・技術者の積極的参加を希望します。
応募を希望される方は下記要領にしたがい,9月16日(金)までに地盤工学会・調査・研究部宛にお送りください。
地球環境研究委員会
委員長:勝見 武(京都大学)
研究テーマ:
(1)災害廃棄物や津波堆積物の処理に関する地盤環境課題
・資源再生化のための材料評価および処理手法の検討確立
・災害廃棄物等の管理型有効利用の可能性の検討
・災害廃棄物による造成盛土の地盤工学的特性の把握と問題の解決
・発生側と利用側・利用用途のマッチングに関する戦略
(2)放射能汚染土壌や廃棄物の処理に関する地盤環境課題
・放射能汚染土壌の調査・評価方法の検討
・放射能汚染土壌の原位置管理に資する地盤環境影響評価法の検討
・放射線物質の地盤中の挙動予測
・放射能汚染土壌からの放射性物質の除去方法の検討
・放射能汚染土壌・廃棄物の処理・封じ込めの技術評価
(3)地盤環境衛生問題への対応ならびに復興のグランドデザインへの提案
・津波や地震による地盤沈降により冠水状態が回復されない土地や,増加した海抜ゼロメートル地帯における海水侵入
ならびに悪臭や粉塵などの環境衛生問題への対応災害廃棄物処理、放射能汚染土壌対策、地盤沈降対策など地盤環境
問題を踏まえた社会基盤グランドデザイン案の構築と行政ならびに実務への反映
・現行制度の枠組みを超えて,全体を鳥瞰した発想に基づく事業の実現に向けた支援
A4判の用紙を利用して,以下の項目を漏れなく記入の上,平成23年9月16日(金)までに地盤工学会調査・研究部宛に「震災対応研究委員会委員の応募」と標題に記してメールまたはFAXでお送りください。
(1)応募する委員会名
(2)氏名
(3)会員番号
(4)所属・役職
(5)生年月日
(6)連絡先住所,電話,FAX,E-mail
(7)過去5年間の主な業績(論文または担当業務):別紙を添付して下さい。
・論文の場合は,著者,タイトル,掲載誌,掲載ページ,発行年月 等
・担当業務の場合は,その概要(プロジュクト名,時期,場所,主な内容等)
(8)過去5年間における地盤工学会における活動内容(委員会,座長等):別紙を添付して下さい。
(9)応募する委員会においてできること・やりたいこと(自己アピールなど)
公益社団法人地盤工学会 調査・研究部 「震災対応研究委員会委員公募」係
Tel.03-3946-8673, Fax.03-3946-8678
E-mail: chosaki@jiban.or.jp
※応募者が多数の場合には,提出された業績に関する資料(応募要領の(7)~(9)等)を参考に,原則として調査・研究部が委員長と調整の上で選定させていただきます。