公益社団法人 地盤工学会 調査・研究部
調査・研究部が運営する委員会には,毎年定期的に新設される研究委員会と先駆的テーマに関する委員会設置の検討を行う調査委員会のほかに,活動資金の一部または全部を参加機関が分担拠出する公募型委員会,他機関から研究委託によって設置される受託委員会,重点課題について研究企画小委員会から不定期に企画・設置される研究小委員会等があります。研究委員会は会員の自主参加の下に,地盤工学に関するテーマの研究・調査に積極的に取り組み,その成果を会員に還元しようとするもので,重要な学会活動の一つとして位置付けられています。
今回は,平成28年度に新設する研究委員会の委員を公募いたします。 なお,応募者は学会個人会員とし,同一年度での応募は各人1委員会に限らせていただきます。
入会手続きは「申し込みと会費納入」が必要です。詳しくはこちらをご覧ください→入会について
◎委員を公募する委員会テーマと委員会発足の主旨
委員会名:3Dプリンターによる岩盤の復元に関する研究委員会
委 員 長 :竹村 貴人 氏(日本大学)
活動期間:平成31年度までの3年間
応募期限:5月31日(火)
主 旨 :
近年,3次元でのデータ計測や3Dプリンターによるモデル作成に関する技術が急速に普及している.地質材料(Geomaterial)に関しても,その例外ではなく,American Geophysical Union Fall Meeting (アメリカ地球物理連合秋大会)では2014年度には「Digital Rock Physics, 3D Printing, and More I Poster」,2015年度には「Multiscale Imaging, Digital Rock Physics, and 3D Printing」で3次元デジタル岩石力学(Rock Physics)でセッションが組まれている.2014年度の発表では主に岩石の破断面を3Dプリンターで復元し実験に用いようとしている内容が多く報告されていた.しかしながら,3Dプリンターの性能向上速度は早く,1年後に開催予定の2015年度大会(12月開催予定)では石油に関連した,例えば「3D Printing Carbonate Microstructures: Preliminary Porosity-Permeability Trends with Applications to the Decarbonation Reaction」のような実際の実験に供するモデルの作成が行われつつある.
国内においても,3Dプリンターの開発は進んでおり,例えば,図1のような亀裂モデルの作成が可能となっている.図1のモデルは,直径50mm高さ50mmの円柱内に150個の連結した直径10mm厚さ1mmの円盤状亀裂を配置させたものである.ここでの,モデル作成は光硬化型の3Dプリンターを用いた.図2は作成されたモデルの亀裂部の拡大画像である.また,図3はモデル作成に用いた3DCADにて作成したデータであり,データはフォーマットを変更することで有限要素法に受け渡しが可能である.現在,作成したモデルを用いて,ガス拡散係数,透水係数を実測中である.
研究会では,同一試料の量産が可能であるという3Dプリンターのメリットを活かし、3Dプリンターでの地質材料、特に亀裂性岩盤を復元して,
・数値計算結果と実験の整合の確認(透水・力学)
を検討する.
また,課題としてあげられる次の点について研究会で詰めることにより,岩盤のモデル化に寄与することも企図する.
・X-CT画像で得られた空隙構造をどこまで復元できるか?
・どの程度までの幅の隙間が作成可能か?
◎公募する委員の会務と人数
研究委員会は,委員長,(副委員長/幹事長/幹事),事務担当幹事および委員で構成され,このうち委員を公募します。委員の方には,委員会発足後に決められる運営方針に従い調査,研究活動を行っていただくほか,成果の取りまとめ等にも協力していただきますので,実質的な作業負担が伴うことをご承知おきください。なお,委員の中より幹事を選出することもあります。公募人数については,研究テーマに関して会員に資する成果が上げられ,かつ委員会が円滑に運営されて,委員間相互で十分な意思疎通が図れる程度の人数とし,委員長と調整,決定するものとします。
◎委員の選定方法
応募者が多数の場合には,提出された業績に関する資料(応募要領の(7),(8)等)を参考に,原則として調査・研究部が選定いたします。
◎応募方法
下記応募フォームから必要事項を送信してください。
【委員応募フォーム】
必要事項リスト
(1)応募する委員会名
(2)氏名
(3)会員番号、手続き中の方は初回の会費納入日を記載してください。
(4)所属・役職
(5)(入会手続き中の方は)年齢
(6)連絡先住所,電話,FAX,E-mail
(7)過去5年間の主な業績(論文または担当業務)
・論文の場合は,著者,タイトル,掲載誌,掲載ページ,発行年月 等
・担当業務の場合は,その概要(プロジュクト名,時期,場所,主な内容等)
(8)過去5年間における地盤工学会における活動内容(委員会,座長等)
◎申込み・問合わせ先
地盤工学会 調査・研究部「新設委員会委員公募」係
Tel.03-3946-8673 chosaki★jiban.or.jp