1.趣旨
2010年7月16日の夕方、広島県庄原市の大戸川、篠堂川、大戸川の流域において3時間で173mm(広島県大戸雨量計)の集中豪雨によって大規模な土砂災害が発生し、住宅、道路、河川、農地に甚大な被害をもたらした。本災害は、5km四方の範囲で200箇所以上の斜面(広島工業大学菅雄三教授による)がほぼ同時に崩壊するという過去に例をみない集中的な土砂災害であり、その重要性を考え、土木学会、地すべり学会と合同で災害調査を実施するものである。(平成22年7月27日派遣決定)
2.JGS調査団メンバー
団長:土田 孝 広島大学大学院工学研究科
団員:
海堀正博 広島大学大学院総合科学研究科
一井康二 広島大学大学院工学研究院
加納誠二 広島大学大学院工学研究院
森脇武夫 呉工業高等専門学校環境都市工学分野
小笠原 洋 復建調査設計(株)
中井真司 復建調査設計(株)
田中敏行 (株)ダイヤコンサルタント
伊達裕樹 (株)ウエスコ
北出圭介 中電技術コンサルタント(株)
外山涼一 荒谷建設コンサルタント(株)
新長修二 応用地質(株)
久賀真一 基礎地盤コンサルタンツ(株)
武田吉充 広島県土木局土木整備部砂防課
川口将季 広島大学大学院工学研究科学生
花岡 尚 広島大学大学院工学研究科学生
中川翔太 広島大学大学院工学研究科学生
原 弘 広島大学大学院工学研究科学生
3.JGS調査日程
・8月7日:地盤工学会と土木学会斜面委員会が最初の調査を実施。ただし、この調査は全体をみるだけで個別の渓流には入りませんでした。
・8月19日,20日:12日に延期した調査を実施し、渓流の踏査を行ってきました。なお、地盤工学会調査団として再度調査を考えています。
4.平成22年7月広島県庄原市で発生した土砂災害に関する4学会合同現地調査報告会 報告
主催:砂防学会,地盤工学会,土木学会,日本地すべり学会
2010年7月16日,広島県庄原市北部の川北町,西城町を結ぶ県道445号線を中心とする地域に集中豪雨が発生し,洪水と斜面崩壊,土石流などの土砂災害によって死者1名,全壊家屋12棟,半壊家屋11棟という大きな被害を受けました.
本災害の特徴は,山間部の約4km四方の狭い範囲を限定した突然の集中豪雨であること,これによって洪水と37箇所もの土石流がほぼ同時に発生し,地域の地形全体が激変するような大きな被害がもたらされたことです.今回の災害は,山間地におけるゲリラ豪雨災害ともいえ,今後どのように対処すればよいかが大きな課題になると考えられます.砂防学会,地盤工学会,土木学会,日本地すべり学会は,本災害に関する合同調査団を結成し,広島県の協力を得て被災地での現地調査を実施しました.9月30日に報告会を開催いたしましたので,報告いたします.
日時:平成22年9月30日(木)14時30分~16時30分
場所:(社)土木学会 講堂 (東京都新宿区四谷一丁目外濠公園内)
プログラム
開催の挨拶
14:35~14:55 土田 孝(広島大学) 災害の概要
14:55~15:15 海堀正博(広島大学) 調査で見られた水の噴き出し跡から考えたこと
15:15~15:35 中井真司(復建調査設計(株)) 被害をもたらした降雨と災害地の地質の特徴
15:35~15:55 福岡 浩(京都大学) 源頭部崩壊とメカニズム
15:55~16:15 小川紀一朗(アジア航測(株)) 航空レーザ計測による土砂移動状況
16:15~16:30 質疑応答
5.連絡先
公益社団法人地盤工学会 戸塚 弘
〒 112-0011 東京都文京区千石4-38-2 Tel. 03-3946-8677