地盤遺産シンポジウム

主催:地盤工学会ATC19(地盤遺産)国内委員会 時期:2014/2/4~5 開催地:大阪市 担当部署:国際部

 

地盤工学会のスポンサーによってATC19(国際地盤工学会アジアにおける文化遺産地盤工学委員会(委員長 岩崎好規))が2010年8月に設立され,関東支部にグループ活動として,2011年4月に江戸期以降の土木史跡の地盤工学的分析・評価に関する研究委員会(委員長 正垣孝晴)が設立された。
末岡徹地盤工会会長の目指す学会の目標の一つに地盤工学遺産の把握と技術検証・評価が挙げられており,本シンポジュウムは,地盤が深くかかわる自然・文化遺産を社会に紹介し,理解を深めるために実施するものである。
地盤遺産の多い大阪で開催し,狭山池,八田與一の台湾烏山頭ダム,堺市に最近再築された土塔ピラミッドなど興味ある講演を予定している。
 

 
主 催 : 公益社団法人地盤工学会 ATC19(地盤遺産)国内委員会
共 催 : 公益社団法人地盤工学会関東支部 江戸期以降の土木史跡の地盤工学的分析・評価に関する研究委員会
後 援 : 日本イコモス国内委員会,公益社団法人日本ユネスコ協会連盟
協 賛 : 一般社団法人日本応用地質学会関西支部
 
日 時 : 平成26年2月4日(火),5日(水)    (4日にシンポジウム,5日に見学会) 
場 所 : 建設交流館(大阪市西区立売堀2丁目1番2号) ほか  
 
 
2月4日(火) 
 

シンポジウム 9:30-17:00(受付9:00~)    
場所 :建設交流館8階 グリーンホール
参加費 :無料
講演集 :2,000円程度
G-CPDポイント :6.0ポイント
  
交流懇親会 17:30-19:30  
場所 :建設交流館地下1階レストラン ベルデプラム
参加費 :4,000円(フリードリンク)

 

プログラム(予定)
9:30~ 9:40 開会の挨拶 末岡 徹(地盤工学会会長/大成建設)
9:40~ 9:50 ATC19国内委員会活動報告 岩崎好規(ATC19国内委員会委員長/地域地盤環境研究所)
9:50~10:00 土木史跡委員会活動報告 正垣孝晴(土木史跡委員会委員長/防衛大学校)
Ⅰ午前の部  
10:00~10:30 狭山池と水利遺構の保存と展示 工楽善通(狭山池博物館長)
10:30~11:00 八田與一 ―台湾 烏山頭水庫― 李 德河(成功大學教授)
11:00~11:10 烏山頭水庫の世界遺産登録を目指して 黄 冠超(台北駐大阪弁事処文教課)
11:10~11:40 史跡土塔の構造 近藤康司(堺市文化部文化財課)
11:40~12:10 石と向き合い続けて 左野勝司(石工)
≪お昼休憩:50分≫
Ⅱ午後の部  
13:00~13:25 満濃池と古溜池について 田中忠次(東京大学名誉教授)
13:25~13:50 東アジアにおける古代盛土の構築方法と風土の関連について 鬼塚克忠(佐賀大学名誉教授)
13:50~14:15 古墳墳丘の地盤特性と調査・保全 三村 衛(京都大学教授)
14:15~14:40 大分・臼杵磨崖仏における次期保存修理に向けた調査研究 森井順之(東京文化財研究所)
≪休憩:10分≫
14:50~15:15 熊本の水遺産と地下水保全 福田光治 (大成ジオテック)
15:15~15:40 日本の煉瓦構造物の文化財的・理工学的価値に対する考察 田中邦熙(土木史跡委員会)
15:40~16:05 横須賀製鉄所1号ドライドックの編年変化 ◎正垣孝晴・宮川真国・藤井幸泰・菊地勝広・西澤泰彦 (土木史跡委員会)
16:05~16:30 写真測量による横須賀製鉄所第1号ドライドックの記録活動―石材表面の侵食量推定について― ◎藤井幸泰・正垣孝晴・宮川真国・菊地勝広・渡邉邦夫 (土木史跡委員会)
16:30~16:50 質疑応答 
16:50~17:00 閉会の挨拶 岩崎好規(ATC19国内委員会委員長/地域地盤環境研究所)
 
17:30~19:30 交流懇親会

*事情によりプログラムを変更する場合がありますのでご了承ください。

  
2月5日(水)
 

地盤遺跡見学会 10:00-16:00(予定) 
堺市土塔,狭山池など  行程表(案)pdf button
集合場所:大阪市内  
参加費:2,000円程度(交通費・保険代相当)

 
 
 
参加申込方法 : 

 平成26年1月27日(月)までに、下記2つの方法のどちらかでお申込みください。 

1. 申込フォーム・・・・・・必要事項を入力の上、送信してください。
2. 参加申込書pdf button・・・・必要事項を記入の上、メール添付またはFAXでお送りください。 

当日加も可能です。 ただし見学会の参加については前日の4日までにお申し出ください。
 
 

問合せ・申込先 :

地域地盤環境研究所
電話:06-6539-2976(担当:高田)
FAX:06-6578-6255
E-mail: kusumoto◆geor.or.jp(◆を@に変えて送信してください)
 
 


台湾烏山頭水庫 (土木学会選奨土木遺産(2009), 1930年完成,堤高:66.7m,堤長:1273m, セミ・ハイドロィック式ロックフィル)

八田與一氏の設計と施工監理による当時のアジア最大のダムである。
烏山嶺からの水を集めて,不毛であった嘉南平原を一大穀倉地帯に変貌させた。
上空からは青色の珊瑚に見えるため珊瑚湖とも呼ばれる。
講演は,京都大学に留学され,地元台南市の成功大学教授で選奨土木遺産への選定に努められた李徳河先生(地盤工学)にお願いした。
 
 

大阪府堺市土塔(国指定史跡) (創建:8世紀後半,再建:2009)
奈良時代に僧行基らによって土と瓦で築かれた十三重の塔。
堺市による復元整備を目的とした発掘調査(平成10から14年度)の結果、一辺53.1メートル(180尺)で,土台となる基壇の上に四角の段が12層、円形の段が1層あり、その上部には「多宝塔の上層部」のような建物があった。
段を造る時には粘土ブロックを並べて積み重ね、その間に土を入れて水平にして固めながら盛り上げ,各層とその前面は瓦葺である。
(写真提供 堺市文化財課)