[活動期間: 平成28(2016)年度-平成30(2018)年度]
近年,3次元でのデータ計測や3Dプリンターによるモデル作成に関する技術が急速に普及している.地質材料(Geomaterial)に関しても,その例外ではなく,American Geophysical Union Fall Meeting (アメリカ地球物理連合秋大会)では2014年度には「Digital Rock Physics, 3D Printing, and More I Poster」,2015年度には「Multiscale Imaging, Digital Rock Physics, and 3D Printing」で3次元デジタル岩石力学(Rock Physics)でセッションが組まれている.2014年度の発表では主に岩石の破断面を3Dプリンターで復元し実験に用いようとしている内容が多く報告されていた.しかしながら,3Dプリンターの性能向上速度は早く,1年後に開催予定の2015年度大会(12月開催予定)では石油に関連した,例えば「3D Printing Carbonate Microstructures: Preliminary Porosity-Permeability Trends with Applications to the Decarbonation Reaction」のような実際の実験に供するモデルの作成が行われつつある.
国内においても,3Dプリンターの開発は進んでおり,例えば,図1のような亀裂モデルの作成が可能となっている.図1のモデルは,直径50mm高さ50mmの円柱内に150個の連結した直径10mm厚さ1mmの円盤状亀裂を配置させたものである.ここでの,モデル作成は光硬化型の3Dプリンターを用いた.図2は作成されたモデルの亀裂部の拡大画像である.また,図3はモデル作成に用いた3DCADにて作成したデータであり,データはフォーマットを変更することで有限要素法に受け渡しが可能である.現在,作成したモデルを用いて,ガス拡散係数,透水係数を実測中である.
研究会では,同一試料の量産が可能であるという3Dプリンターのメリットを活かし、3Dプリンターでの地質材料、特に亀裂性岩盤を復元して,
・ 数値計算結果と実験の整合の確認(透水・力学)
を検討する.
また,課題としてあげられる次の点について研究会で詰めることにより,岩盤のモデル化に寄与することも企図する.
・ X-CT画像で得られた空隙構造をどこまで復元できるか?
・ どの程度までの幅の隙間が作成可能か?
2016年9月9日更新
会務 | 氏名 | 所属 | |
1 | 委員長 | 竹村 貴人 | 日本大学 文理学部 地球科学科 |
2 | 委員兼幹事 | 奥澤 康一 | 株式会社大林組 技術研究所 |
3 | 委員 | 下茂 道人 | 公益財団法人深田地質研究所 |
4 | 委員 | 清木 隆文 | 宇都宮大学大学院 工学研究科 地球環境デザイン学専攻 社会基盤デザイン学コース |
5 | 委員 | 鈴木 健一郎 | 株式会社大林組 技術研究所 |
6 | 委員 | 西本 壮志 | 一般財団法人電力中央研究所 地球工学研究所 |
7 | 委員 | 濱本 昌一郎 | 東京大学 農学部生命科学研究科 |
8 | 委員 | 藤井 幸泰 | 公益財団法人深田地質研究所 |