斜面・のり面の維持管理と防災マネジメントに関する研究委員会

委員会概要

 土木構造物の経年劣化に伴い,維持管理に対する重要性が指摘されているが,斜面・のり面は,管理すべき対象数がコンクリート構造物や鋼構造物よりも圧倒的に多く,効率的な維持管理手法が必要とされる一方で,斜面・のり面が土や岩で構成される構造であるうえに,降雨や地震などの自然外力によって変形・破壊することが多いことから,維持管理が難しいとされてきた。こうした中,毎年のように発生する斜面・のり面の崩壊は,直接的な人的被害や生活空間の破壊のみならず交通機関の不通、復旧費用など各方面にわたって多大な被害をもたらす結果となっている。

 このような被害を最小限に抑えるためには,斜面・のり面の性能を精度よく判定し,効率的な措置を施すことが必要となる。しかし,斜面・のり面に対する維持管理に関する手法を体系的にまとめたものについては未だにみられない現状といえる。
このような背景のもと,斜面崩壊のメカニズムの解明から防災技術のあり方までを地盤工学会が先駆的役割を果たしてとりまとめてきた経緯から,地盤工学会が中心となり,今後の斜面・のり面の維持管理手法をとりまとめる意義は大きい。
そこで,本研究委員会では斜面・のり面に対する維持管理の現状を取りまとめ,昨今,土木構造物の維持管理にあたって導入が検討されつつある,リスク評価からライフサイクルコストの考え方の適用を踏まえた新しい維持管理手法について研究し,提言する。さらに,現有構造物の機能維持といった考え方に基づく維持管理のみならず,斜面・のり面の異常気象時の崩壊被害を低減する防災マネジメントまで研究を深度化させ,全国の斜面・のり面の崩壊による被害低減に資することを目標にして活動する。

研究内容
・斜面・のり面に対する維持管理手法の現状把握
・新しい維持管理手法:検査手法,センシング,モニタリング
・取り替え・補修・補強方法の提案
・維持管理へのリスク評価手法の導入
・防災マネジメントの提案

委員会名簿

会務 氏名 所属先
委員長 杉山 友康 (財)鉄道総合技術研究所
幹事長 安藤 伸 応用地質(株)
幹事 布川 修 (財)鉄道同号技術研究所
委員 池田 武穂 日鐵住金建材(株)
委員 宇次原 雅之 日特建設(株)
委員 岡田 勝也 国士舘大学
委員 小野田 敏 アジア航測(株)
委員 加藤 清也 国際航業(株)
委員 加藤 俊二 (独)土木研究所
委員 北村 良介 鹿児島大学
委員 小早川 博亮 電力中央研究所
委員 酒匂 一成 立命館大学
委員 谷 茂 農村工学研究所
委員 辻 慎一朗 岐阜大学
委員 畑 明仁 大成建設(株)
委員 藤原 優 (株)高速道路総合技術研究所
委員 馬 貴臣 岐阜大学
委員 丸木 義文 (株)アーステック東洋
委員 森 伸一郎 愛媛大学
委員 森 泰樹 西日本旅客鉄道(株)
委員 山﨑 淳一 三信建設工業(株)