21世紀になり10年が経過したところであるが,この10年間の間にも,未だ人類が直面したことがなかった地盤にかかる新しい環境問題の解決が迫られている.例えば,自然由来の重金属問題や災害時に発生する莫大な廃棄物の問題,吸着効果を取り入れた遮水バリアの設計の未確定や物質移行現象を考慮した遮水工の性能評価,社会経済を念頭においた環境コストの精緻化などなど,数多くの研究課題が,21世紀に入ってからの10年間で出現してきた.そして、3月11日に東日本を襲った大地震では多くの地盤環境問題が発生している。
以上のような環境地盤工学分野の研究課題は,日本全国規模において,また,時代の変遷とともに,種々出現している.そこで,本研究委員会では,21世紀に入ってからの10年間で,人類が新たに直面している全国規模の地盤環境問題を抽出し,解決しなければならない優先順位を設定し,その具体的な技術を体系化することを目的としている.
2010年11月現在,地盤環境に係る新しい研究課題としては,以下のようなものが提示されている.
1. 自然由来の重金属問題
2. 災害時に発生する莫大な災害廃棄物と土壌汚染問題
3. 環境モニタリングの方法と期間と終了判断基準の明確化
4. 廃棄物処分場建設や廃棄物の有効利用に関するリスクコミュニケーション
5. 実環境を想定した新しい環境影響評価手法の開発
日本全国規模で,かつ,時代の変遷の中で出現する環境地盤工学分野の研究課題の解決には,支部の枠組みを超えた人的ネットワークと研究交流が必要不可欠である.地盤環境問題は,地域の問題というよりも,日本全国ひいては世界規模での共通的研究課題であり,その解決策は,時代の変遷,社会情勢の変化に依存するものでもある.
また,地盤の環境に係る事例への具体的な対応については,論文や報告等に記されることが少なく,なかなか表面に出にくい状況にある.したがって,このような環境地盤工学的事例に係る技術者は,少ない情報の中で対応を迫られることが多い.このような背景から,継続的に地盤環境に関して,全国規模で議論を行う委員会活動が求められる.また,時代の変遷に応じて,地盤工学分野の主体となる世代の技術者間での情報交換の場を醸成する意味でも,継続的に,地盤環境に係る委員会活動を行うことが重要と考えられる.
また,本委員会は,継続的に実施している環境地盤工学シンポジウムを主催するという責務も担う予定である.
平成24年度 | ||||
会議名 | 開催日 | 開催時刻 | 会場 | 詳細 |
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第4回委員会 | 2012年5月18日(金) | 5:00~18:30 | 地盤工学会 | |
第5回委員会 | 2012年8月31日(金) | 5:00~18:30 | 地盤工学会 |
平成23年度 | ||||
会議名 | 開催日 | 開催時刻 | 会場 | 詳細 |
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第1回委員会 | 2011 年7 月27 日(水) | 5:00~18:30 | 地盤工学会 | |
第2回委員会 | 2011年10月20日(木) | 5:00~18:10 | 地盤工学会 | |
第3回委員会 | 2011年5月11日(金) | 11:00~17:00 | 岩手大学工学部内 盛岡市産学官連携研究センター |
No. | 会務 | 氏名 | 勤務先 |
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1 | 委員長 | 佐藤 研一 | 福岡大学 工学部 社会デザイン工学科 道路・土質研究室 |
2 | 副委員長 | 肴倉 宏史 | 独立行政法人国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター |
3 | 幹事 | 遠藤 和人 | 独立行政法人国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター |
4 | 幹事 | 小澤 一喜 | 鹿島建設株式会社 技術研究所 岩盤・地下水グループ |
5 | 幹事 | 藤川 拓朗 | 福岡大学 工学部 社会デザイン工学科 |
6 | 委員 | 伊藤 健一 | 宮崎大学 国際連携センター 地盤環境保全研究部門 |
7 | 委員 | 稲垣 由紀子 | 独立行政法人土木研究所 つくば中央研究所 |
8 | 委員 | 稲積 真哉 | 京都大学大学院 工学研究科 都市社会工学専攻 |
9 | 委員 | 乾 徹 | 京都大学 大学院地球環境学堂 社会基盤親和技術論分野 |
10 | 委員 | 今西 肇 | 東北工業大学 工学部 都市マネジメント学科 |
11 | 委員 | 大嶺 聖 | 長崎大学大学院工学研究院 システム科学部門 |
12 | 委員 | 勝見 武 | 京都大学大学院地球環境学堂 |
13 | 委員 | 菊池 喜昭 | 東京理科大学 理工学部 土木工学科 |
14 | 委員 | 清田 正人 | 三菱マテリアル株式会社 セメント研究所 板橋試験室 |
15 | 委員 | 倉品 悠 | 株式会社奥村組 東日本支社 土木事業担当 |
16 | 委員 | 小峯 秀雄 | 茨城大学 工学部 都市システム工学科 |
17 | 委員 | 柴田 英明 | 国士舘大学理工学部理工学科都市ランドスケープ学系 |
18 | 委員 | 鈴木 聡彦 | ソイルアンドロックエンジニアリング株式会社 営業部兼環境技術室 |
19 | 委員 | 隅倉 光博 | 清水建設株式会社 技術研究所 |
20 | 委員 | 武島 俊達 | 株式会社 アステック東京 |
21 | 委員 | 武田 都 | 株式会社アステック東京 地質環境部 |
22 | 委員 | 龍原 毅 | パシフィックコンサルタンツ株式会社 北海道支社 水工・環境部 |
23 | 委員 | 田中 誠 | 株式会社アイコンズ |
24 | 委員 | 谷 茂 | NTCインターナッショナル株式会社 技術本部 |
25 | 委員 | 田本 修一 | 独立行政法人 土木研究所 寒地土木研究所 |
26 | 委員 | 束原 純 | 中央開発株式会社 関西支社 |
27 | 委員 | 永岡 修一 | 財団法人日本環境衛生センター 西日本支局 |
28 | 委員 | 半井 健一郎 | 広島大学 大学院 工学研究科 社会基盤環境工学専攻 |
29 | 委員 | 奈良崎 浩美 | 帝人エコ・サイエンス株式会社 茨木技術所 |
30 | 委員 | 成島 誠一 | 西武建設株式会社 土木統括部 設計技術部 |
31 | 委員 | ハザリカ ヘマンタ | 九州大学大学院工学研究院 建設デザイン部門 |
32 | 委員 | 藤村 健司 | 株式会社アーステック東洋 |
33 | 委員 | 水野 克己 | 大幸工業株式会社 総合企画部 |
34 | 委員 | 水野 正之 | 株式会社ホージュン セールスエンジニアリング部 |
35 | 委員 | 皆瀬 慎 | 株式会社ホージュン 応用粘土科学研究所 |
36 | 委員 | 宮口 新治 | 応用地質株式会社 エンジニアリング本部 コアラボ試験センター |
37 | 委員 | 椋木 俊文 | 熊本大学大学院 自然科学研究科 |
38 | 委員 | 保高 徹生 | 独立行政法人産業技術総合研究所 地質分野 地圏資源環境研究部門 |
39 | 委員 | 渡邊 保貴 | 財団法人電力中央研究所 地球工学研究所 |