低コスト・高精度な地盤調査法に基づく宅地の液状化被害予測研究委員会

ニュース

「低コスト・高精度な地盤調査法に基づく宅地の液状化被害予測手法の開発」研究報告書

当委員会の成果報告がまとまりました。下記より閲覧ください。

目次
第1章 総説
第2章 宅地の液状化判定・被害予測の評価手法の検討
第3章 液状化判定可能な動的コーン貫入試験の開発
第4章 液状化判定可能なスウェーデン式サウンディング試験の開発
第5章 数値解析による液状化判定・被害予測の検証
第6章 宅地地盤情報データベースの開発
第7章 低コスト・高精度な宅地の液状化被害予測手法の開発
第8章 まとめ
付録

平成24年10月30日開催「報告会」についてはこちら

委員会概要

東日本大震災では,東北・関東地方で砂地盤の液状化現象によって数多くの戸建住宅が被災した。この原因は埋立,埋戻し,盛土,干拓などによる人工改変地に対して適切な地盤改良・補強を施していなかったことにあるが,そもそも戸建住宅の基礎地盤(宅地)に対する地盤調査の重要性や液状化対策の認識が低かったことが素因と考えられる。現在,宅地に対する地盤調査法はスウェーデン式サウンディング試験が標準であり,地盤の許容支持力の算定や沈下の可能性の有無の判定を目的に行われるが,この試験結果のみでは液状化判定はできない。一方,土木構造物や中規模以上の建築物に対してはボーリング調査(標準貫入試験と採取試料の粒度試験を含む)によって液状化判定を行っているが,これを宅地調査に適用するのはコスト的に無理がある。したがって,これまで宅地に対して地盤調査結果に基づく液状化判定・被害予測は行われていないのが実情であった。
 この度,国土交通省の「平成24年度建設技術研究開発助成制度<震災対応型技術開発>」の公募があり,『低コスト・高精度な地盤調査法に基づく宅地の液状化被害予測手法の開発,研究代表者:大島昭彦』が採択された。この研究開発実施においては,産学官の分野から構成される委員会を設置することが規定されている。
 上記を踏まえて,「低コスト・高精度な地盤調査法に基づく宅地の液状化被害予測研究委員会」を設立したいと考える。本委員会では,宅地に対して標準的な地盤調査法であるスウェーデン式サウンディング試験に加え,最近利用が増えている動的コーン貫入試験を対象に、低コストのまま高精度に地盤強度と土質判定が得られるように試験方法を改良し、それに基づく液状化判定と被害予測手法を開発し、実用化に向けた検討を行うことを目的としている。
 なお当学会には,平成23年度に新設された「東日本大震災対応調査研究委員会」およびそれに関連する研究委員会も活動中であり,それらと連携することでそれぞれの研究をより推進することができる利点もある。
 本研究委員会の成果は,宅地の液状化検討のための地盤調査費用を従来の手法(ボーリング調査に基づくもの)と比較して大幅なコスト減が期待でき,一般市民に対して安心・安全な社会の形成に寄与できると信じている。

委員会議事録

第10回 平成26年3月31日(月)13:00~17:30 議事録(PDF)於:地盤工学会
第9回 平成26年01月31日(金)14:00~17:30 議事録(PDF)於:大阪市立大学梅田サテライト講義室
第8回 平成25年12月18日(水)13:00~17:20 議事録(PDF)於:地盤工学会
第7回 平成25年10月22日(火)14:00~17:10 議事録(PDF)於:大阪市立大学梅田サテライト講義室
第6回 平成25年07月24日(水)13:30~15:00 議事録(PDF)於:富山国際会議場
第5回 平成25年03月18日(月)13:00~17:00 議事録(PDF)於:地盤工学会
第4回 平成25年01月25日(金)13:00~17:00 議事録(PDF)於:大阪市立大学文化交流センター
第3回 平成24年11月22日(木)14:00~17:00 議事録(PDF)於:ホテル琵琶湖プラザ
第2回 平成24年10月31日(水)09:00~12:00 議事録(PDF)於:地盤工学会
第1回 平成24年09月10日(月)14:00〜17:00 議事録(PDF)於:大阪市立大学文化交流センター

委員会名簿

会務 氏名 所属
委員長 大島 昭彦 大阪市立大学大学院工学研究科都市系専攻
委員 三村  衛 京都大学大学院工学研究科
委員 田中 洋行 北海道大学大学院公共政策学連携研究部
委員 平田 茂良 大和ハウス工業株式会社 総合技術研究所
委員 深井  公 積水ハウス株式会社 施工部
委員 利藤 房男 応用地質株式会社 エンジニアリング本部
委員 下平 祐司 一般財団法人日本建築総合試験所
委員 金  哲鎬 報国エンジニアリング株式会社 技術本部
委員 飛田 哲男 京都大学防災研究所
委員 山本 浩司 一般財団法人地域地盤環境研究所
委員 林  宏親 独立行政法人土木研究所 寒地土木研究所
委員 今西  肇 東北工業大学
委員 松本 樹典 金沢大学大学院自然科学研究科
委員 村田 芳信 地盤防災ネットワーク
幹事 山田  卓 大阪市立大学大学院工学研究科都市系専攻
委員 諏訪 靖二 諏訪技術士事務所
委員 久保田耕司 基礎地盤コンサルタンツ株式会社 関西支社長
委員 吉村  貢 ソイルアンドロックエンジニアリング
委員 平出  務 独立行政法人建築研究所 構造研究グループ
委員 松下 克也 株式会社ミサワホーム総合研究所
委員 伊集院 博 旭化成ホームズ株式会社
委員 平林  弘 東亜建設工業株式会社 技術研究開発センター
委員 片山 浩明 東邦地下工機株式会社 企画開発本部