地震国においては、インフラストラクチャーの建設及び維持管理において断層が出現する事が多く、断層は避けて通れない問題である。日本でも、例えば明石海峡大橋建設中に発生した阪神大震災の淡路・野島断層,東海道本線・丹那トンネル建設時の北伊豆地震による断層、そして断層直上に建設された山陽新幹線新神戸駅等、多くのインフラ施設の建設・維持管理等において断層は工学的な検討対象となってきた。またパイプライン等のライフラインや原子力発電所を中心とした大型プラント施設でも、断層の調査や評価は、最近社会的関心の高いテーマとなっている。特に原子力発電所の再稼動等に関して断層をどう考えるかについてはこれまで主に理学的立場からの検討が実施されている。しかしながらインフラの建設や維持管理は、あくまで我々人間が行う工学的・人為的行為であり、自然物でありかつ自然現象でもある断層に対してインフラをどのように設計・施工・維持管理するかは、まさにエンジニアリング(工学)のワーク(作業)そのものでもある。もちろん上述した理学を基本とした断層に関する知識は非常に重要であるが、構造物がインフラストラクチャーとして人間社会に導入され具現化・実現される場合、技術者・研究者は断層に対する工学的判断や技術的行為を最終的に行うことになる。すなわち、断層の存在と状況を調査しどのように評価するか、また断層地盤上及びその周辺地におけるインフラをどのように設計・施工・維持管理するかは我々地盤に携わる技術者・研究者にとって重要な工学的問題であり、現在まさにこのような研究活動が求められている。
一方、本分野の研究課題に立ち向かう時、単に一学会の知識そして人材だけでは十分でない。今回の断層のテーマを考える場合、地盤工学,地震工学、応用地質学等の分野の知識と経験や学問・技術の成果を持ち寄り、協力して研究することは重要なことである。さらにその研究の成果を国民にわかり易く提示・説明することは最も日本社会で求められている事でもある。
この度、上述した三つの学術・技術分野の学会である地盤工学会、日本地震工学会、日本応用地質学会が結集し、上述した主旨に沿い、断層について正面から扱う学術・工学の研究委員会を設立し、合同で研究活動を開始して欲しい。そして本テーマを研究委員会で取り上げる場合、我々研究者や技術者が、政治的・社会的な思惑に左右されることなく、純工学的、純技術的、純学問的に取り組む事が重要になる。断層問題に関する理工学合同委員会に期待すること大である。
会務 | 氏名 | 所属先 | 代表する学会 |
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委員長 | 國生 剛治 | 中央大学 名誉教授 | 地盤工学会 |
副委員長 | 大塚 康範 | 応用地質(株) エンジニアリング本部 技術長室 | 日本応用地質学会 |
副委員長 | 堀 宗朗 | 東京大学 地震研究所 | 日本地震工学会 |
幹事長 | 谷 和夫 | (独)防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター | |
幹事 | 藤井 幸泰 | (公財)深田地質研究所 | |
アドバイザー | 末岡 徹 | (株)地圏環境テクノロジー |
平成26年度 | ||||
会議名 | 開催日 | 開催時刻 | 会場 | 詳細 |
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第5回委員会 | 平成27年3月6日(金) | 10:00~12:00 | 地盤工学会 | |
第4回委員会 | 平成26年12月8日(月) | 15:00~17:00 | 地盤工学会 | |
第3回委員会 | 平成26年9月8日(月) | 15:00~17:00 | 地盤工学会 | |
第2回委員会 | 平成26年7月10日(木) | 10:00~12:10 | 地盤工学会 | |
第1回委員会 | 平成26年4月28日(月) | 15:00~17:10 | 地盤工学会 |
断層問題に関する理工学合同委員会 規則 (PDF:17.0KB)