H22年度 第13回 事業企画賞表彰
◆第13回 事業企画賞表彰◆
平成22年度事業企画賞表彰者が、平成23年3月18日の理事会において決定し、平成23年6月10日の第53回通常総会で授与しました。
表彰業績名 |
表彰対象者 |
男女共同参画に関する取り組み
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企画部
過去5年間の男女共同参画を担当してきた企画部員
代表者 工藤里絵 杉本映湖 |
●授賞理由:
地盤工学会では,女性の会員比率が非常に低く,かつ学生会員の女性比率(10.0%)と正会員の女性比率(2.1%)の差も大きい。
そのため,女性会員が活躍しやすい環境を整える男女共同参画を推進することは,学会にとって喫緊の課題である。
企画部では,2005年より男女共同参画に関する取り組みを積極的に取り組んできた。
その具体的な活動には,啓蒙のための毎年の研究発表会におけるデスカッション・セッションの開催,男女共同参画に関するアンケート調査,
「男女共同参画学協会連絡会」へのオブザーバー参加,(独)国立女性教育会館,日本学術会議「科学と社会委員会の科学力増進分科会」が主催する
「女子中高生夏の学校」への参加(地盤工学に関する簡単な模型実験の実施)などが含まれる。これらの活動は,ほとんど女性の部員が非常に熱心に取り組んできたものである。
2010年3月には,過去5年間におけるこれらの活動内容を総括し報告書としてとりまとめた。そして,5月より会員支部部の下に新たに設置された
「男女共同参画・ダイバーシティに関する委員会」にその活動を発展的に引き継ぐこととなった。
本事業は,従来の地盤工学会の活動にないものであり,また会員数が急速に低下して活動が量的に縮小することが懸念される現況において女性会員の活躍を後押しして学会全体の活性化を図ることは非常に重要であり,学会だけでなく社会への貢献度も多大である。
以上の理由により,事業企画に対する表彰候補として推薦するものである。
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地盤工学会60周年記念DVD |
調査・研究部
学術情報委員会の構成(製作当時のメンバーを含む)
代表者 深田 久(元委員長)
井上波彦(現委員長)
濱田純次、廣岡明彦、根岸昌範、金田一広、磯部公一
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●授賞理由:
本事業は、平成21年に創立60周年を迎えた当学会の記念事業の一環として実施されたものである。創立50周年時に刊行された記念誌の内容にその後10年の活動記録を加え、さらに電子図書アーカイブとして学会の知の結晶である「土と基礎(現 地盤工学会誌)」、「Soils and Foundations」、論文報告集、研究発表会発表講演集、各種シンポジウム、災害調査報告書など約45,000点の出版物が電子コンテンツ(PDF等)として収録されている。会員の実務の電子化が進んだこの時期に、電子媒体として発行する意義は極めて高い。
さらに本DVDは、利便性の向上を図るために、タイトル、年代、著者等などの書誌情報を付加しており、目的の資料を様々な条件でウェブブラウザ(インターネットエクスプローラなど)から検索可能な形式としている。本DVDの刊行によって、会員の計画・調査・設計・施工・研究等の業務に関係する資料を容易に閲覧・印刷することが可能になり、会員の活動に対する貢献度も大きなものである。
したがって、これらの観点から、「事業企画に対する表彰」の対象にふさわしいものとして選出した。
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落石の機構解明と対策工の開発:「落石 対策Q&A」の刊行
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四国支部
地盤工学会四国支部落石対策研究会
代表者 矢田部龍一
筒井秀樹、右城 猛、吉田 博、須賀幸一、吉村和司
加賀山肇、西岡南海男、松山哲也、能野一美
高森秀次、田中登志夫
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●授賞理由:
本成果は学術的側面だけでなく、技術的にも旧来の対策工の問題点を解決し、新しい技術提案を行っている。これらの成果はシンポジウムテキストとして広く公開されるとともに、講演会などを通してこれから全国に情報発信していく予定である。また、企画の実現の時期という意味では、平成19年度から3年間の研究委員会の開催と現場実験などを経て、昨年度に研究がまとまり、今年度から広く全国的に情報発信をしていくという意味で時宜を得ている。
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事業継続を可能とするための既存構造物周囲の地盤改良(補強)工法に関するに関する研究報告書作成及び講習会
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関東支部
事業継続を可能とするための既存構造物周囲の
地盤改良(補強)工法に関する研究委員会
代表者 岸田隆夫(委員長)
三反畑勇、石井裕泰、内田明彦、大石幹太、小峯秀雄
末政直晃、高橋英紀、田村昌仁、林 健太郎、深田 久、末岡 徹、安田 進
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●授賞理由:
首都圏を直下地震から守るために -地盤工学からの提言-」でも述べられているように、最近の地震では地盤関係の深刻な被害が目立つようになっており、そのために中核施設の稼動が長期間ストップして事業継続が困難となる事例も起きています。 本研究委員会は、地盤改良技術を事業継続計画(BCP)の概念から見直すことによって、現在中々進まない既存構造物の耐震対策に地盤改良技術を役立たせる方策を追求しようと企画されたものです。
委員として産官学の技術者が集まり、具体的な震災復旧事例や事前対策の研究を通じ、設計の考え方、BCPの評価方法、適応工法とその実績や留意点、今後の研究開発の方向性を整理しています。そして、研究成果は、BCPの観点を取り入れた「地盤改良による耐震対策の検討ガイドライン」を
含んだ報告書としてりまとめ、支部特別会員への配布、支部HPを通じた頒布や、関東支部県グループ講習会の場などを利用した報告会開催などによって積極的に広報を図っています。
このように、従来からの地盤改良という技術とBCPという新しい概念を結びつけた研究は、地盤工学の範囲を広げるとともに時代の要請にタイムリーに応えており、その積極的な普及活動と合わせて、社会的な貢献を大きく果たしているものと評価できます。以上の理由から、本企画を「事業企画推進賞」候補に推薦いたします
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