「地盤材料の構成式ワークショップ」の開催案内

主催:本部 時期:2013/5/27-5/28 開催地:東京 担当部署:調査・研究部

主催委員会:地盤変状メカニズム研究委員会
 
東日本大震災では液状化被害を含め未曾有の地盤災害を経験しました。これを受けて発足した委員会の一つが「地盤変状メカニズム研究委員会(委員長:浅岡顕)」です。この委員会は地震時の様々な地盤変状のメカニズムを検討するものですが、地盤の変形から破壊までを説得力を持って説明するには合理的かつ予測能力の高い地盤材料の構成モデルは欠かせません。
さて、地盤の解析で不可欠な構成モデルですが、用いている構成モデルの能力をよく認識せずに解析が進められることも多々あります。また、実務に目を向けると、地盤設計の考え方の多くは基本的には60年以上前のTerzaghiの教科書の域を出ていません。そこでは、弾性圧密理論と剛塑性支持力理論のように、同じ地盤材料であるにもかかわらず問題によって違った材料として扱っているのが普通です。さらに言えば、静的問題と動的問題で、同じ土でも構成式を変えるのは、現在でもごく普通のように行われています。しかし、構成モデルそのものに動的、静的という区別があること自体が不自然で、むしろこれは構成モデルの不完全性ゆえの適用限界だと考えるべきなのでしょう。そのような意味で、合理性のある構成モデル研究の発展なくして地盤力学・地盤工学のブレークスルーは考えられません。
我が国は地盤材料の構成式分野で世界をリードする国の一つでしたが、最近は地盤工学会の研究発表会でも構成式に関する発表が少ないことが示しているように、この分野の研究が以前ほど活発とはいえません。地盤材料の構成式の能力や適用性が他の材料(例えば金属材料)のそれに追いついていないにも拘わらずこのような状況になっていることに危機感を持つ人も少なくありません。したがって、これからの世代に現在の構成式の現状・最新情報をはっきりと伝えることが大切と考えます。本ワークショップ(座長:中井照夫 幹事:河井正、金田一広)は、静的・動的を問わず、世の中の構成モデルの考え方を解説することで個々のモデルの特徴と地盤の解析への適用性を明確にすることを目的とします。そのために、3回のワークショップを予定しています。


●第2回ワークショップ

期  日:2013年2 月28 日(木)、3月1日(金2013年5月27日-5月28日※日程が変更になりました。
会  場:地盤工学会(JGS会館) 地階大会議室
会  費:未定
定  員:80名
内  容:東日本大震災で液状化被害のあった地域(千葉県浦安市、宮城県仙台市)の地盤(砂、中間土、粘土)から採集した不攪乱試料および再構成試料の要素試験の構成モデルによる再現結果を紹介する。
 
※第2回WS開催にあたり、委員会より提供する実験データを用いて,各種の地盤構成モデルで実験を再現していただき、その結果を発表していただける方を募集いたします。詳細はこちらをご覧ください。

●第3回ワークショップ予定

期  日:2013年春頃
会  場:未定
内  容:浦安の液状化地盤/非液状化地盤の解析やその他の静的・動的境界値問題の解析結果を使ったワークショップを予定。
 

●第1回ワークショップ【終了いたしました】

期  日:2012年8月9日(木)午後10時~10日(金)午後17時を予定(6月号の会告には8月6日~7日となっていますが上記の日時が正しい日程です)。
会  場:地盤工学会(JGS会館) 地階大会議室
会  費:2,000円(資料代実費)
定  員:80名
申込方法
※事前申込は終了いたしました。お席はありますので、直接会場までお越しいただければ幸いです。
ただし、残席は若干数となっており、お席をご用意できない場合があります。その際はご容赦いただければ幸いです。
申込フォームから必要事項を記入して《8/7(火)まで》にお申込みください。確認メールが自動送信されます。8/7以降は下記問合せ先までメール等でご連絡ください。定員を超過した場合には、別途メールでお知らせいたします。

 プログラム

8月9日(木)
<開会あいさつ>
10:00~10:10
<講演>
10:10~11:00  tijモデルについて———-中井照夫(名古屋工業大学)  
11:00~12:00  SYSカムクレイモデルについて———-浅岡 顕(地震予知総合研究振興会)
12:00~13:00  昼食・休憩  
13:00~14:00  非線形三要素モデル———-龍岡文夫(東京理科大学)  
14:00~15:00  地盤材料の弾粘塑性モデリング———-岡二三生(京都大学)  
15:00~16:00  液状化現象解析に関する構成式およびその数値解析———-橋口公一(九州大学)・間瀬辰也(東電設計㈱)  
16:00~17:00  第2回、第3回構成式ワークショップの進め方および第2回ワークショップの実験データについて———-地盤変状メカニズム研究委員会
8月10日(金)
<講演>  
09:00~10:00  おわんモデルと履歴関数モデルを併用した構成式———-福武 毅芳(清水建設)  
10:00~11:00  ひずみ空間多重せん断モデル(カクテルグラスモデル系)について———-井合進(京都大学)  
11:00~12:00  軟岩の熱弾粘塑性CHOモデルおよびその境界値問題への応用———-張 鋒(名古屋工業大学)  
12:00~13:00  昼食・休憩  
13:00~14:00  非定常流動曲面型弾粘塑性モデル———-三村衛 (京都大学)  
14:00~14:40  関口・太田モデルとその応用———-ピパットポンサー・ティラポン(東京工業大学)  
14:40~15:10  ALIDサンドモデルについて———-安達健司 ((株)地盤ソフト工房)  
15:10~16:10  液状化した砂の変形特性の実験と、その地盤構造物の性能評価への適用———-東畑郁生(東京大学)  
16:10~17:00  マルチハードニングメカニズムモデル———-塩見忠彦(マインド)
<閉会あいさつ>
17:00~17:10
なお、講演者の都合で変更がある場合は、ホームページにてお知らせいたします。また、多少の時間変更があることをご了承ください。
 
問合せ先 :
公益社団法人 地盤工学会 調査研究・基準グループ
「地盤材料の構成式ワークショップ」係
住所:〒112-0011 東京都文京区千石4丁目38番2号
電話:03-3946-8673 FAX:03-3946-8678
E-mail__: chosaki@jiban.or.jp